創元推理文庫<br> 七度狐

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創元推理文庫
七度狐

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784488470036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

静岡に行ってくれないかな―北海道出張中の牧編集長から電話を受け、緑は単身杵槌村へ取材に赴く。ここで名跡の後継者を決める口演会が開かれるのである。ところが到着早々村は豪雨で孤立無援になり、関係者一同の緊張はいやが上にも高まる。やがて後継者候補が一人ずつ見立て殺人の犠牲に…。あらゆる事象が真相に奉仕する全き本格のテイスト、著者初長編の傑作ミステリ。

著者等紹介

大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年11月6日、京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作に。98年「ツール&ストール」で、第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

356
個人的には好きなテイスト。横溝っぽい雰囲気がある、閉じられた村での連続殺人。その雰囲気が好きであれば好きになれるとは思うが、ミステリ部分の内容の薄さも横溝のB級以下作品と同程度だったりするので「コレ本格か?」的なレビューがあるのもわからないでもない。シリーズ物の二作目という流れもあるのだろうけど、この作品から読むと探偵役の編集長の影もイマイチ薄く感じる。「七度狐」の解釈や、最後に明かされる芸の道の壮絶さは好き。同じシリーズでもう二、三作長編を書いてくれれば、大アタリが出そうに感じる。2018/07/18

buchipanda3

117
落語シリーズ2作目。今度のは長編。しかも本格ミステリ色が濃いめで、殺人も起こる。古典落語「七度狐」の謎に、過疎村でのクローズドや見立て殺人といった某古典ミステリのような事件が巧みに掛け合わさって、さらに二転三転する展開もあり最後までしっかりと楽しめた。実は全てが結び付いて事実が露わになった時にハッとなるも、あれは無理筋ではと思った。そこに終盤に「芸に対する執念」を思わせるあの言葉が投げつけられさらなる真相を知って愕然となる。「七度狐」は狐に化かされる噺だが、本作も化かされた後の得も言えぬ気持ちが残った。2020/01/03

セウテス

82
【落語】シリーズ第2弾。春華亭古秋の7代目の名跡を次ぐ者が指名される一門会に、間宮緑は取材で同席する事になる。だが実在の噺の題目「七度狐」を見立てに、大雨のために陸の孤島ととなる山間の小さな村で、連続殺人事件が幕をきっておとされる。1度聴いた事がある噺であり、興味深く本作を選んだ。見立ての部分はそれなりであると思うが、何より犯人を推理する事が順序だてて行える。過去と現在を絡めて隠された謎と、落語家の芸にたいする狂気、名跡にたいする固執と、構成そのものが巧く楽しめる。犯人が解ってからの、最後の〆に戦慄する。2020/08/23

五右衛門

71
読了。マンガでも落語、文庫でも落語。お腹いっぱいです。でもこの落語はミステリー満載、緑さんと編集長が電話でのやり取りって言うのが特にドキドキが増しました。七度狐って言うので今回の犠牲者も実は…ってことは無かったです。編集長の先輩って更に凄腕で高齢なのに山一つ超える兵で推理も完璧でした。続編にも登場かな。楽しみがまた一つ増えました。2019/09/09

タイ子

56
先日、落語の「七度狐」を聞いてふと本作を思い出し再読。内容をすっかり忘れていたというある意味新鮮。落語一門の後継者を巡って連続殺人が起こる。場所はとある山奥の古びた温泉旅館。そして、豪雨で閉ざされるクローズ・ド・サークルというこれ以上ない100%の演出度。季刊誌の女性編集者が一門の取材で赴き事件に遭遇。助けの編集長は北海道で電話にて事件の概要を知り、推理をし指示をするというこれまた椅子探偵の形。七度狐の通りに殺害されるが、ここは落語を知らなくても大丈夫。落語をテイストに笑いはないが本格的なミステリー。2018/07/26

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