内容説明
自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。ひきこもり探偵シリーズ第二弾。
著者等紹介
坂木司[サカキツカサ]
1969年東京生まれ。2002年覆面作家として『青空の卵』を刊行し衝撃のデビューをかざる。以後『仔羊の巣』『動物園の鳥』を上辞し、鳥井と坂木が活躍する“ひきこもり探偵三部作”を完結させる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
398
有栖川有栖氏の解説を読んで、あっと思ったのは、鳥井真一という名前。すっかり忘れていたが、『遠きに目ありて』の探偵役の少年が「岩井信一」だったとは。作者があやかって命名したのは、おそらく間違いないだろう。ハンディキャップのある探偵の、新しいパターンを目指してのことなのだろう、と。鳥井にはまた知り合いが増え、人として成長をしたラスト。不可解な行動の意味を徹底して追求する作風は2巻目も好調だ。3冊目も読もう。2018/02/13
めろんラブ
352
二人が強く純粋な信頼で結ばれていることは重々承知しています。痛々しい傷を心に抱えていることも。そして、この「ひきこもり探偵シリーズ」は基本シリアス路線なことも。でも、どうしても若干の笑いと困惑がwwwとはいえ、面白いことは確か♪究極のツンデレ・鳥井と、驚異の泣き男・坂木。常軌を逸した執着&密着が本作でも見事!謎を解きながらのイチャつき、いいですねぇ。行間からキャッキャという乙女な嬌声すら聞こえるよう。次回作で完結。相互依存の二人が自立できるのか?真っ当な大人・栄三郎さんを始めとする仲間の力が必要、かな?2010/12/04
ダイ@2019.11.2~一時休止
300
ひきこもり探偵その2。連作短編集。銀河鉄道を待ちながらが一番良かった。カキの中のサンタクロースはカキがメインだと深読みしすぎてしまった。2015/03/03
SJW
268
ひきこもり探偵「鳥井真一」シリーズ第2作目。今回は3つの連作短編から構成されている。お仕事関連のエピソードは1つ目の外資系生命保険会社と2つ目の東京メトロ(当時は営団地下鉄)の仕事。地下鉄の仕事については謝辞を述べているが、生保の仕事については述べていない。かなり詳しく正確に書かれているので坂木さんは外資生保の出身なんだろう。どの話も迷える仔羊がエピソードを提供し、鳥井が解決していく。どの仔羊も性格にやや難ありだが、根は心優しく徐々に鳥井や坂木(作品の中での鳥井の相棒)の仲間になっていく。家族では(続)2018/04/12
エンブレムT
260
境界線はどこだろう?境界線は誰が引く?・・・ただの同僚と友達の。大切な友情と恋情の。子供と大人の境界線は?善と悪との境界線は?敵と味方の境界線は?許されるのはどこまでなんだ?許されないのはどこまでなんだ?必要だから線を引く。便宜上に線を引く。目には決して見えないけれど、心に引かれる境界線。誰かの幸せ祈るときには、そんな線などないけれど。・・・描かれているのは、日常の謎。解きほぐされるのは、絡まってしまった誰かの心。サラリと読めるシリーズだけれど、本を閉じた後にいろいろなことを考えてしまう1冊でした。2013/06/09