創元推理文庫<br> スチームオペラ―蒸気都市探偵譚

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創元推理文庫
スチームオペラ―蒸気都市探偵譚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 412p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488456061
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

毎朝配達される幻灯新聞が食卓に話題を提供し、港にはエーテル推進機を備えた空中船が着水・停泊。歯車仕掛けの蒸気辻馬車が街路を疾駆する――ここは蒸気を動力源とした偉大なる科学都市。女学生エマ・ハートリーは、父を迎えに港への道を急いでいた。父が船長を勤める空中船〈極光号〉の船内で不思議な少年・ユージンに遭遇したエマは、彼と共に名探偵ムーリエに弟子入りし、都市で起きる奇妙な事件の調査に携わることになる。空想科学世界を舞台にした絢爛たる探偵譚。

内容説明

蒸気機関を主な動力源とする大都会に暮らす少女エマは、空中船“極光号”の船長である父を迎えるため港への道を急いでいた。船内の一室で、ガラス張りの“繭”に封じられた少年を発見し、解放してしまったエマは、彼と共に、その場に居合わせた名探偵ムーリエに弟子入りして都市で頻発する不可能犯罪を調べることになり…。夢溢れる空想科学世界を舞台に贈る傑作本格ミステリ!

著者等紹介

芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆかーん

52
『スチームパンク』というジャンルがあるのをご存知ですか?蒸気機関が発達する、1890年代を舞台にしたSFファンタジーのことらしいです。この小説はまさにスチームパンク!『電気エネルギー』が浸透していない時代のミステリー世界を堪能できます。主人公のエマと謎の少年ユージンが出くわす、蒸気都市での科学事件。バラバラだった4つの殺人事件が、新たな科学技術の力によって一つに繋がります。未来でもあり過去であるような、摩訶不思議な時代を十分に楽しめました!『天空の城ラピュタ』や『スチームボーイ』のような壮大な世界です!2016/11/13

ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう

41
まあまあでした。エーテルと蒸気の世界のスチームパンクにはなかなか入っていくのが難しくて、密室のトリックなんかもよく分からんなーと思いながら読んでたんですが、謎の少年ユージンの出所と、エマとの関係とか、そのへん、ラストあたりは面白かったかな。2017/06/24

まりも

41
進路に悩む女学生エマ・ハートリーが空中戦で出会った謎の少年ユージンと共に、蒸気機関都市で続く不可能犯罪に挑む話。スチームオペラにミステリーが加わった感じの作品ですが、謎解きに関してはページ数割いた割に微妙だったので若干の肩すかしを食らった気分に。ちょっと強引すぎたのが残念だったかな。スチームパンクの世界を舞台にしたボーイミーツガールとしては楽しむ事が出来たので、謎解きはオマケ程度と考えた方が良いかもしれません。トータルとしてはそこそこですかね。次回作は要検討といったところ。2016/05/05

泰然

38
純粋に真っ直ぐで楽しいスチームパンク。舞台はバラレルワールドの倫敦で主人公のエマは父親が船長を務める空中船の一室で謎の少年に出会ったことから、校外研修として名探偵の助手になり活動するのだけども…。と、単純な空想科学とボーイミ-ツガ-ルと推理と思いきや、蒸気機関の道具や社会を克明に解説、又は実在の人物名を拝借して全力で描写することで痛快な「メタフィクション」的なラストへ繋げる。最近のSFは高尚で硬派な社会派文芸ポジションにはあるが、本書は奇天烈でファンタジックな本格ミステリの醍醐味の健在を示す夢ある一冊だ。2020/12/11

よっち

35
蒸気を動力源とした科学都市。進路に頭を悩ませる女学生エマ・ハートリーが長旅から帰還した父を迎えにきた港で正体不明の少年・ユージンと出会う物語。ひょんなことからユージンと共に名探偵ムーリエに見習いとして弟子入りしたエマが遭遇する数々の奇妙な事件。ミステリとして読むとやや冗長に感じたストーリー展開でしたが、思わぬ方向へ話が向かって物語を見る視点が変わるSF小説的な終盤は、強引かなと感じる箇所があったもののテンポも上がっていってなかなか面白かったです。二人の出会いの物語の終着点はわりと自分好みの読後感でした。 2016/05/01

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