出版社内容情報
宗介とは半年前、街で偶然再会を果たした。学生時代の友人で、ひとから見下されるような仕事をしている僕と違って、将来を嘱望された秀才だ。その彼が、大手コンサルタントを辞めて、行くあてもないと言う。仕方なく一晩だけ泊めるつもりが、その後も居着いてしまって、今ではうちの居候に。そうして普段は一日ヨガの修行をして過ごす彼が、ひとたび仕事で遭遇した事件を持ち帰ると、瞬く間に解決していく探偵へ姿を変えるのだ。だけど、僕は知っている。宗介自身が誰より深い悩みを抱えていることを……。暗い過去を持つふたりの青年が、五つの事件を通して経験していく出会いと別れ。(『素人がいっぱい』を文庫化にあたって改題)
新野剛志[シンノタケシ]
内容説明
僕と宗介は半年前、街で偶然再会した。学生時代からの友人は、仕事を辞めて行くあてもないらしい。仕方なく一晩だけ泊めてやるつもりだったのが、今ではすっかり居着いてしまっている。そんな彼は、僕の周辺で起きた事件を素人探偵となって次々と解決していくのだが…。それぞれ暗い過去を持つ青年、勇吾と宗介。彼らに訪れる出会いと別れを描き、爽やかな余韻を残す連作短編集。
著者等紹介
新野剛志[シンノタケシ]
1965年東京都生まれ。立教大学卒。99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞してデビューする。2008年『あぽやん』が第139回直木賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuko
20
デリヘルの店長の僕の家には学生時代の友人宗介が居候している。優秀だったのに仕事もなく、ヨガの修行ばかりして過ごしている宗介。そんな2人が出会う5つの事件。。過去のある二人の青年の再生の物語。宗介の過去も出会う事件も重く暗い。しかしラストに少し明るさがあるのが救い。今年はお花見しなかったな。。2016/05/13
のんちゃん
18
暗い過去を持って今に至る大学時代からの友人同士の30歳の男性二人。一人はフリーターで、もう一人は風俗店の店長をしている。この風俗店で起こる事件の数々を頭脳明晰なフリーターが解決して行くミステリー仕立ての物語。風俗店が舞台だが、意に反し、爽やかイメージの物語である。なぜ、こんなに優秀な彼がフリーターなのか?どうして、もう一人の男性は風俗店店長をしているのか?最後に二人の秘密も明らかになるのだか、男の友情もいいものだと感じた。謎解きものとしても面白かった。2017/04/05
tario
17
爽やかな表紙に合ってる中身だったけど登場人物はもっと若いのかと思ってた。いや、三十路も若いけど。軽いミステリなんだけど青春チックな匂いもするし。青春ミステリと銘打つには年齢が行き過ぎてるから?2016/05/27
きょん
16
二人の過去も中々シビアだし、デリヘルの女の子達や周辺の人が抱える事情も行動も犯罪すれすれという感じもするけれど、不思議と爽やかな印象になるのが不思議。あけすけなようで気遣いの出来るナナコちゃんが良い子だったな。2016/05/17
たこやき
14
タイトルで読んだけど、『素人がいっぱい ラブホリックの事件簿』の改題だったのね。どちらのタイトルも微妙に内容からズレてるような……。デリヘルを舞台にしているものの性的要素はあまりなく、あくまでもちょっと特殊な職場、くらい。物語の主は、元エリートで探偵役である宗介のあり方だと思う。例えば、2編目では、かなり過激な解決法を取るのだけど、それもまた、彼の抱えた過去、その中での決意、挫折への伏線となっている。そして、最終章で宗介の過去へ……。宗介の悲しい決意と、それすらも防げた結末。何だかんだで読後感爽やか。2016/08/04
-
- 和書
- 実用!マンガ名ゼリフ