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創元推理文庫
樹縛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 435p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488455040
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

八月、新築マンションの住人から、季節外れの杉花粉症を発症したと伝えられた住販メーカー・霧島不動産。同様の事例が多発し、ある期間使用された秋田杉のフローリングに原因があることが判明。詳しい調査を依頼された建材メーカーの坂本直里は、材木問屋の八田勲とその経緯を探ることに。十二年前に亡くなった勲の共同経営者が遺した一枚のメモから、事態は大きく動き出す―。

著者等紹介

永井するみ[ナガイスルミ]
東京生まれ。東京芸術大学音楽学部中退。北海道大学農学部卒。1995年第2回創元推理短編賞に「瑠璃光寺」を応募し最終候補に。96年「隣人」で第18回小説推理新人賞を受賞、同年『枯れ蔵』で第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HMax

33
新築マンションから季節外れの杉花粉症が発生したとのクレーム、同時に12年前に行方不明となった男女の白骨遺体が秋田の杉林から発見された。日本の林業を取り巻く問題に、環境問題と、愛憎を織り込んだミステリー。 義兄弟姉妹で何をやってんだか。そんなことしてなかったら、12年前に問題解決してたでしょ。 それはそうと、本腰を入れて花粉の少ない杉を増やして欲しいものです。2023/03/25

キムチ

17
「枯れ蔵」で惹かれた永井作品2作目。う~ん、何か同じ香りが強く、なかなか気が入り込めないまま、読了。国立理系を出た作家らしく、論理分析が明快、納得しつつ読ませるところはさすが。秋田の国有林内で見つかった白骨死体・・謎を探るべく乗り出すのは、心中の片割れ男性の親友。その一方でもう一人の心中女性の妹が姉の死を辿って行く。その先にあるのはシックハウス症候群。2本のラインが緩やかに螺旋を描きつつ、ラストになだれ込むわけだが。東南アジア諸国ときっても切れない関係になっている輸入事情を絡めて、楽しめる。

hiichi

14
12年前の変死事件、室内花粉症、秋田杉、中国…がキーワードなミステリ。さすが永井するみ、これだけたくさんの伏線を張りながら、どれも手を抜かず、見事に回収。相変わらず不倫が多く、登場人物が複雑で頭は使いましたが、誰の思いも切なくて、その心理描写がまた繊細で、ぐんぐんひきこまれました。まだまだ他の作品も読みたい。2014/03/16

ぱなお

10
新築マンションの入居者から、室内にいると花粉症の症状が出たというクレームを受けた。調べてみると他にも複数の部屋でその症状が起きていることが判明。床に使用した杉に問題がありそうなこと、そしてその杉の森から見つかった心中遺体。シックハウス症候群に似てはいるけど、ある種、人の手が作ったようなアレルギーの問題。社会派ミステリーではあるのかな。面白くないわけではないけど、専門的な話がうまく入ってこずちょっと惜しい感じがしました。2024/01/19

いくら

7
12年前に行方不明となった男女の白骨遺体。新築マンションから検出された杉花粉に含まれるのと同じ成分。これらがどう関係していくのかと、引き込まれました。緻密な謎解きの迷路に迷い込んだよう。主人公の直里が理知的でよい。濃厚な男女の愛憎に社会派の味わいは、松本清張作品を髣髴とさせます。2012/09/07

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