内容説明
結婚の承諾を得るため千鶴の実家へ赴いた幸春は、千鶴の父・久信が前向性健忘という記憶障害に陥っていることを知らされる。数日後、幸春の知人が公園で何者かに襲われ命を落とす。当初は強盗事件と思われたものの、悲劇はこれだけでは終わらなかった…。十四年前の放火事件との関係は、そして幸春と千鶴の結婚の行方は?多重どんでん返しの末に明らかになる驚愕と感動の真相。
著者等紹介
北川歩実[キタガワアユミ]
1995年、『僕を殺した女』でデビュー。論理的な作風とサスペンスフルな展開で注目される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワレモコウ
55
再読本。連続放火事件で母親を失った幸春と千鶴は、何年後かに再会し結婚したいと思うようになる。結婚の承諾を得るために会った千鶴の父は、6年前の事故で前向性健忘という記憶障害を患っていた。まもなく二人の身近な人が次々と殺されていく。それは、14年前の連続放火事件に関係しているのか?500頁を超える長編でした。なんだろ…北川さんの作品は好きで、内容も面白いんだけど、いつも読みづらい。ずっと解説を読んでいる感じ。幸春と千鶴の将来が明るいものになるような、最後の一捻りも良かったのに。2020/09/26
coco夏ko10角
23
婚約者の父親が前向性健忘、いくつかの事件、14年前との連続放火事件との関係は…。記憶障害に関する知識や多くの伏線で前半は少し読みにくかったが、後半は色々と明らかになっていって驚き。今後のメンタルが心配になってしまう人もいるが…。2019/11/28
鈴木 千春
4
ワレモコウさんの感想あらすじをコピペです。m(_ _)m 「連続放火事件で母親を失った幸春と千鶴は、何年後かに再会し結婚したいと思うようになる。結婚の承諾を得るために会った千鶴の父は、6年前の事故で前向性健忘という記憶障害を患っていた。まもなく二人の身近な人が次々と殺されていく。それは、14年前の連続放火事件に関係して いるのか」 幸春目線で展開され、読者を謎解きに誘導する。 が、いかんせん人物描写が、、、 すべて説明的なセリフ、行動。 むりやりトリックにもっていく。 500P超えをよく読んだものだ❢2024/03/13
Grand Guignol
4
前向性健忘症という設定を取り入れているため、小難しい説明が続くが不愉快さは感じない。登場人物は悲壮な過去を抱えているが、父親は同じ痛みを共有し続けることができない。一方で、読み手は彼らの痛みやもどかしさを痛烈に感じ、共有することになる。設定が単なる真相の開示に関わってくるだけではなく、平淡な人物描写をドラマティックに感じさせる役目となっている辺りが素晴らしい。最終章ではその企みが爆発しており、多くの悲劇の上に成り立った一つの救いが胸を震わせた。2010/09/28
みやこ
3
全然予想してない展開で驚きました。2015/07/12