出版社内容情報
「この死体、変だと思わないか?」
死体を運ぶ先輩と、
死体の謎を解く後輩。
二人だけの、最悪な部活動。
書き下ろしを収録して復刊
英知大学1年の祝部は暴漢に襲われ、抵抗の末相手を殺してしまう。偶然通りかかった大学の先輩・織賀の提案で死体を埋めに行くことになったが、彼の車には既に“左手の指だけ全部骨折した”死体が座っていた。奇妙な死体を運ぶ織賀と、死体の謎を解かされる祝部。二人だけの最悪な部活動が行き着く先とは──。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、書き下ろしを加え待望の復刊。
【目次】
内容説明
英知大学1年の祝部は暴漢に襲われ、抵抗の末相手を殺してしまう。偶然通りかかった大学の先輩・織賀の提案で死体を埋めに行くことになったが、彼の車には既に“左手の指だけ全部骨折した”死体が座っていた。奇妙な死体を運ぶ織賀と、死体の謎を解かされる祝部。二人だけの最悪な部活動が行き着く先とは―。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、書き下ろしを加え待望の復刊。
著者等紹介
斜線堂有紀[シャセンドウユウキ]
1993年生まれ。上智大学卒。2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
22
2019年に刊行された作品を改稿、書き下ろしを加えて復刊。大学説明会からの帰り道、見知らぬ男に襲われ正当防衛で相手を殺してしまった主人公・祝部(はふりべ)。突然現れた同じ大学の先輩だという織賀に声を掛けられ誘われるままに死体と共に車に乗ってしまう…。半強制的に【死体埋め部】の部員として犯罪の片棒を担ぐことになってしまった祝部が、回を重ねるうちに織賀との関係性が深まるのが好い。薄まる罪悪感や、もう抜け出せないだろう織賀には危うさが付き纏う。終盤の2人に愕然としたが続編なのか?あるのでこれは絶対に読みたい。2025/07/16
椎名
7
書き下ろしと改稿を加えて復刊。何回再読してもラストに祈りを感じて苦しい。絶望と希望が同居していて、まだ祝部の奥底にある確かな執着が強く伝わってくる。書き下ろしの幕間が挟まるタイミングも良かった。回想と再興は七月刊行予定とのことでこちらも楽しみに待ちたい。2025/07/01
Urmnaf
5
死体埋め部とは?どういう比喩かと思いきや、ホントに死体を埋める活動をするサークルでした。学校帰りに暴漢に襲われ、逆に殺してしまった祝部が死体を前に困っていると悪魔の囁きが。織部の「助けてやろうか?」に乗ったばっかりに死体埋め部に勧誘された祝部だったが、運ぶ死体の謎を解く役回りとなる。運ぶ間の暇つぶしだけど。こうして作られる先輩・後輩の間の奇妙な関係性は、祝部にとって、ある意味、居心地の良いものだったけれど。色々と裏が見えると、続けることは難しくなるのだなあ。2025/07/22
銀華
3
突如襲ってきた見知らぬ人を正当防衛で殺してしまった大学新入生、そこに声を掛けてきたのは同大の先輩だと名乗る男で死体を埋めると云う彼の提案に乗ってしまうーー大学での日常と死体埋め部でのアングラな活動を交互に過ごすから二人のやり取りが軽快になり、読者も親しみたところでの終盤だから、そこまでしなくてもとは思う。巻き込まれた新入生から先輩への想いが重めだなとは思ったけど、逆も然り。新入生は同情もあったから駄目だった?先輩は全てを見せても逃げなかったから手放せなかった?分岐した話が続刊するらしいので読みます。2025/07/21
うさぎや
3
死体埋め部、「本当に名は体を表す」すぎる……と思ってたらまさかそんな……2025/07/16