出版社内容情報
「この死体、変だと思わないか?」
死体を運ぶ先輩と、
死体の謎を解く後輩。
二人だけの、最悪な部活動。
書き下ろしを収録して復刊
英知大学1年の祝部は暴漢に襲われ、抵抗の末相手を殺してしまう。偶然通りかかった大学の先輩・織賀の提案で死体を埋めに行くことになったが、彼の車には既に“左手の指だけ全部骨折した”死体が座っていた。奇妙な死体を運ぶ織賀と、死体の謎を解かされる祝部。二人だけの最悪な部活動が行き着く先とは──。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、書き下ろしを加え待望の復刊。
【目次】
内容説明
英知大学1年の祝部は暴漢に襲われ、抵抗の末相手を殺してしまう。偶然通りかかった大学の先輩・織賀の提案で死体を埋めに行くことになったが、彼の車には既に“左手の指だけ全部骨折した”死体が座っていた。奇妙な死体を運ぶ織賀と、死体の謎を解かされる祝部。二人だけの最悪な部活動が行き着く先とは―。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、書き下ろしを加え待望の復刊。
著者等紹介
斜線堂有紀[シャセンドウユウキ]
1993年生まれ。上智大学卒。2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
24
正当防衛に近い形で殺してしまった暴漢の死体を捨ててもらう代わりに、先輩・織賀の死体破棄業務を今後手伝うことになった主人公の祝部。織賀と祝部が関わる依頼人から引取り破棄していく死体を巡る連作短編でもある。面白い小説を書きます。と某所で公言している著者なだけあり、流れの構成を含めフィクションとして興味深く最後までページを捲ってしまった。「死体を埋めるような人間が、たかだか人間関係で失敗するはずがない。」作中のこの一文が私の中で最後まで尾を引いた。2025/08/12
ぜんこう
22
大学1年の祝部(はふりべ)は公園で殺されそうになって逆に殺してしまう。それがきっかけで同じ大学の3年の織賀と出会い、死体埋め部の副部長にさせられてしまう。もう設定が想像の上を行き過ぎ。部活動(笑)で何人か埋める際にその死体から死んだシチュエーションを想像したり。部の崩壊…こんな終わり方しかなかったのかな〜、と思わせといて、ゾッとする結末。でもこんなに死体が出てくるのに軽く読めるのは嬉しいような何か複雑な気持ち💦2025/09/12
糸巻
22
2019年に刊行された作品を改稿、書き下ろしを加えて復刊。大学説明会からの帰り道、見知らぬ男に襲われ正当防衛で相手を殺してしまった主人公・祝部(はふりべ)。突然現れた同じ大学の先輩だという織賀に声を掛けられ誘われるままに死体と共に車に乗ってしまう…。半強制的に【死体埋め部】の部員として犯罪の片棒を担ぐことになってしまった祝部が、回を重ねるうちに織賀との関係性が深まるのが好い。薄まる罪悪感や、もう抜け出せないだろう織賀には危うさが付き纏う。終盤の2人に愕然としたが続編なのか?あるのでこれは絶対に読みたい。2025/07/16
ちゃちゃまるり
17
タイトルが気になり購入。大学生の先輩後輩2人が死体を埋めるというタイトルまんまの話。登場人物全員ぶっ飛んでいて誰にも感情移入できない。けど死体埋め部の2人には歪んだ絆が産まれていく。中盤までは埋め部の活動中心に進んでいくがラストにかけての回収と次作への余韻が気になりすぎたため次作も読む。2025/08/12
flower0824_
13
大学一年の祝部は、深夜の公園で見知らぬ男に襲われ、死に物狂いで抵抗した結果、逆に男を刺殺してしまう。そこに現れた大学の先輩・織賀。「助けてやろうか?」というそれは悪魔の囁き。織賀の運転するジャガーのトランクに死体を積み、後部座席に乗り込むと隣には女性の死体が乗っていたのだ。こうして“死体埋め部”のサークル活動をともにすることになる先輩と後輩。次第に友情めいたものが芽生え始める。モラル的にいろいろおかしいけれど2人の微妙な関係がおもしろい。最後すごく気になるところで終わった。続編も買う。2025/09/08