内容説明
独特な価値観を持つ近未来の妊婦の町、東京都第七特別区、通称バルーン・タウン。国家的機密情報の行方、誰もいないアリーナでからくり人形師を襲ったのは誰か、オリエント急行内での犯人消失、そしてバルーン・タウンをめぐる秘密とは―。前作に引き続き、バルーン・タウンで起こる数々の奇妙な事件に挑む妊婦探偵・暮林美央の名推理。松尾由美がおくる人気シリーズ第二弾。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
石川県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。1989年『異次元カフェテラス』を刊行し、91年には「バルーン・タウンの殺人」がハヤカワSFコンテストに入選
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タカギ
30
妊婦の街〈バルーン・タウン〉の事件簿第2弾。短編が4つ。私にとってはコージー・ミステリの一種で、楽しく読めた。前作で妊婦だった探偵役の暮林美央は男児を出産している。表題作ではその男児、男児の父親、有明夏乃、夏乃の義母、江田茉莉菜、高山らが集まり、ドタバタ劇を繰り広げていて、一番楽しかった。遅刻常習者の美央は遅れて登場してさらっと謎を解き、カッコいい。人工子宮が当たり前の世の中でも、おむつや哺乳瓶など、乳児のための荷物は全然減っていないことに涙を誘われる。どんなブレイクスルーが必要なの?2021/07/28
ジンベエ親分
29
妊婦の街バルーン・タウン(笑)第二弾。相変わらず笑える(笑) からくり人形(しかも妊婦人形笑)の技が服帯巻きとか妊婦のパフォーマンスコンテストのエントリーがシンクロナイズド腹式呼吸とか服帯占いとか胎児占いとか、絶えず畳みかけてくる。ミステリーとしても緻密で、動機は脱力するというか笑えるけど、トリックはなかなか意表を突いていて面白い。ただ本作の白眉は「オリエント急行」で、"犯行"そのものも脱力系だが、何と言ってもトリックが割れた瞬間を脳内で映像化すると腹の皮が捩れる(笑) 2017/11/19
ピップ
25
妊婦の町、バルーンタウンで起こる事件の連作短編集。短編ということもあり軽く読みましたが、妊婦ということをうまく利用したトリックなどもあって新鮮な感じがしました。これは伏線っぽい、という記述はわかるのですが、何につながるのかは全くわからなく、でも解決編では綺麗に回収してて、なかなか優秀な推理小説だと思います。2021/12/31
coco夏ko10角
24
第2弾。4つのお話収録の連作短編。語り手が江田茉莉奈刑事なのは最初と最後のお話で、あとは有明夏乃と編集・友永さん。夏乃の出産予定日に集まったときのこと…『バルーン・タウンの手品師』がよかった。ラストで探偵役の美央がこういうことになったけど、次巻はどうなるんだろう。2021/10/12
エチゴヤ
8
埴原博士と書いて「はにばる」と読ませるクールさに感動。/あのドウエル教授がそんなことになってたなんて・・・。もう推理合戦とかならなくてもいいから3巻では元気な消息が聞きたいです。2015/03/31
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