出版社内容情報
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ、いったい何を語る? 美形の警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。愛するぬいぐるみから優れた洞察力で、手がかりを発見する。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史、ミステリおたくの江角や若手の桂島など、個性派刑事が脇を固める、〈ぬいぐるみ警部〉シリーズ連作集第一弾。ファン待望の文庫化。著者あとがき=西澤保彦/解説=霞流一
内容説明
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ、いったい何を語る?美形の警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。愛するぬいぐるみから優れた洞察力で、手がかりを発見する。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史、ミステリおたくの江角や若手の桂島など、個性派刑事が脇を固める、“ぬいぐるみ警部”シリーズ連作集第一弾。ファン待望の文庫化。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。アメリカ・エカード大学創作法専修卒。第1回鮎川哲也賞最終候補を経て、95年『解体諸因』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あも
50
第4弾。あとがきにあるとおり、「赤い糸の呻き」中の1編から独立したぬいぐるみ警部の短編集。28歳、職業を間違ったんじゃないかと思われる程美形のキャリア警部・音無美紀(よしき)。心の中の多くを占めるのは事件よりも愛するぬいぐるみの事。設定はキワモノ風だが、起きる事件は愛憎渦巻くシリアスな動機が絡む本格派。現場に残された不可解な状況から、音無らが割とやるせない真相を導き出す。ぬいぐるみ好き設定が作品の面白さや推理の過程に特に貢献も邪魔もしておらず何の意味があるんだよ…と問い詰めたくなるのも西澤氏らしくて好き。2017/05/30
hnzwd
43
ぬいぐるみを敬愛する美貌のエリート警部 音無美紀(♂)を名探偵役に据えたシリーズ。周りを固める登場人物も一癖あるキャラクターだらけで楽しめました。ひねりの聞いた真相が多く、パズラー西澤さんの真骨頂?短編では炸裂しまくっていた妄想モノローグは控えめですが、、それを想像しながら読むのもありか。2015/05/26
mihya
38
ぬいぐるみ好きの音無警部の短編。 バカミスを期待して読んだので、ハードルが上がりすぎていたかも。期待通りのものもあれば、そうでないものも。 起訴するのは難しそうな気がする。 キャラ設定が面白い。このシリーズの音無警部と則竹捜査官の絡みはこの先もっと面白くなりそう。2022/11/19
みみずく
24
若くて美男子のキャリア警部・音無美紀ら個性派刑事たちが活躍するシリーズ。音無の言動は密かに愛するぬいぐるみに照準を合わせているので微妙にズレている。部下の則竹女史は男勝りでクールなイメージだが、音無に熱を上げているので心の中ではそんな言動を良いように解釈し、妄想もたくましい。こんな風に表向きの顔と中の性格のギャップや勘違いを楽しませつつ、血なまぐさい事件を扱う、というこれまたギャップを味わうシリーズなのかな。2015/09/16
わった
21
被害者の思いのままになる犯人、という一風変わったミステリー短編集。読み応えもあって面白かったです。 ものによってはちょっとぞっとしたり、とても切なくなったりします。 タイトルから推測するほど、警部とぬいぐるみの関連性が薄くて、タイトルはなんだったんだ?と思ってしまいました。ぬいぐるみが好きそう、たまにぬいぐるみのマニアックチックな発言が出る程度、でした。 2019/09/25