著者等紹介
大阪圭吉[オオサカケイキチ]
1912年3月20日愛知県生まれ。本名鈴木福太郎。甲賀三郎の推薦により「デパートの絞刑吏」を“新青年”32年10月号に発表し、探偵文壇にデビュー。43年応召、45年7月2日ルソン島にて病歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
35
再読。復刊されたのを機に買い直した。戦前のミステリには珍しく、論理に基調を置いた作品ばかりが集められている。解説に当時評価が低かったとあるのは、当時必ずあった怪奇味が無かったからかな。内容も顔のない死体、人間消失、密室、消える足跡、暗号といった王道ばかり。印象に残ったのは、精神病院を舞台に脳を抜き取られた死体というアイデアが光る「三狂人」聖夜に来る聖者を扱った「寒の夜晴れ」独特の暗号とハッピーエンドの「大百貨注文者」。この作者には戦後まで残って書いて欲しかった。戦後は論理中心の推理小説が主流となったのに。2012/10/25
本木英朗
32
日本の戦前探偵小説作家のひとりである作者の作品のひとつである。俺は創元の旧版で2001年の1回だけ読んでいた。今回新たに新版でということで。うらぶれた精神病院に出来したグロテスクな事件とは?という「三狂人」ほか10編を収録している。中でも俺は、ユーモラスな佇まいが超面白い「大百貨注文者」がいちばんと言える。まあ、他の作品もみんないいけれどねえ。またいつか読もうと思う。2020/12/05
いっくん
30
『三狂人』残酷な事件でありながら、どこかユーモラス。『銀座幽霊』西村支配人は名探偵!『寒の夜晴れ』偶然の惨劇。『燈台鬼』あの犯人がこのトリックを考えたのか?と驚き『動かぬ鯨群』では人間の醜さが際立っていた。『花束の虫』ダンサーらしい『闖入者』不思議な事件。『白妖』算数の問題に!『大百貨注文者』先ず警察に電話して下さい(笑)粋な計らい。『人間燈台』父の独白。『幽霊妻』とんだ妻でした(笑)何れにしても早世されたのが惜しい作家さんです(^_^*)2019/04/13
林 一歩
28
タイトル買いで特に期待もしてなかったのだが拾い物でした。2013/11/28
Tsukamo
25
戦前に活躍された作家だそうで。昭和の雰囲気が出ていて面白かったです。「大百貨注文者」の終わり方が良かった。そして「幽霊妻」で犯人の正体が分かったときは思わず噴き出しそうになりました(笑)2013/12/05
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