内容説明
推理小説を読み、洋楽を聴き、テレビゲームに熱を上げもする。往年の鬼刑事は進取の気象に富み、優遊自得の身になっても飛耳長目ぶりを発揮してやまない。父が靴底を減らしてきただけの刑事ではないと疾うに気づいてはいたが、刑事になってからの私は子孝行をしてもらってばかり―。現在進行形の捜査話が若返りの妙薬になっていると思しき退職刑事が、若かりし頃の事件を語る。
著者等紹介
都筑道夫[ツズキミチオ]
1929年東京生まれ。「やぶにらみの時計」「猫の舌に釘をうて」など小説の著書多数のほか「黄色い部屋はいかに改装されたか?」に代表される評論、キャノン「酔いどれ探偵街を行く」などの翻訳分野でも活躍
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
66
シリーズ第5弾。〔再読〕さすがに5作品目、五郎の妻美恵さんが会話に入ってきたり、退職刑事のシリーズでは珍しい展開の作品も登場してきます。謎解きも少々強引だったり、ユーモアで読ませたりと、安楽椅子探偵の可能性を試す様にも感じます。「読者への挑戦状」は、ミステリー好きとしては必ず在って欲しいものです。しかし安楽椅子探偵の条件を鑑みると、論理的に伏線を読み解き事実を構築し、真実にたどり着くばかりが楽しめるとは言えない。そこには会話のみに於いて描くシステムだからこその、こんな解釈はどうかという緩さが良いと思える。2017/01/12
ミーホ
33
シリーズ5作目。もったいぶってたけど再開。今回は現職さんの奥さんが推理に参加する話が新鮮。全体的に男女間のもつれが動機なのが目立ち、なんだかゴシップ的で私がグッとくるものがなかった~ザンネン。闇鍋がラストも「ふふふ」で良かったかな。解説に西澤さん出てきてうれしかった。さて、ついにラストの6作目へGO!!2016/08/01
ぶんぶん
14
【図書館】退職刑事も五巻目、徐々に謎解きが煩わしくなってきた。 それに論理的な謎解きでは無く、想像の域を出ない謎も増えて来た。 いろいろな解釈法を見つけ出す退職さんが凄いと思うけど、こじつけが入るようになった来たのは考え過ぎか・・・安楽椅子探偵物を続けていくと言うのは、しんどい事だと思う。 ほんとに敬服する。 「Xの喜劇」なんぞは、言葉遊びを楽しんでいる、こういう小説もアリかな?2016/07/11
kochi
6
現職さんの奥さん登場!セリフもあり。2010/11/29
ササキマコト
5
古き良き安楽椅子探偵として楽しませていただきました。言い回しが古くて読みにくい部分もありますが、出版年が出版年ですからね。仕方がない……というか、それはそれで趣きがあって良かったです。2017/03/16