内容説明
話半ばで目を閉じ、眠ってしまったかに見える父だが、油断はできない。こうしているときに思考回路はめまぐるしく動いているに違いないのだ。それが証拠に、私にはおよそ目鼻をつけられなかった事件が、鮮やかに解きほぐされていく…。ダイイング・メッセージから犯人を割り出す「乾いた死体」や暗号もどきを解読する「筆まめな死体」など、現職刑事の手に余る難題に往年の辣腕を揮う、退職刑事の事件簿七編を収録。国産の“安楽椅子探偵小説”定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第三集。
著者等紹介
都筑道夫[ツズキミチオ]
1929年東京生まれ。「やぶにらみの時計」「猫の舌に釘をうて」「誘拐作戦」「三重露出」「血みどろ砂絵」「七十五羽の鳥」など小説の著書多数のほか「黄色い部屋はいかに改装されたか?」に代表される評論、キャノン「酔いどれ探偵街を行く」などの翻訳分野でも活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
66
シリーズ第3弾。〔再読〕今回は全てのタイトルが、「~死体」で統一されていて、益々読み手の興味を湧かせます。一話ごとに、目を見張る様なトリックが在る訳ではありません。いたって普通の事件で在るにも関わらず、摩訶不思議なトリックでも仕掛けられたと錯覚してしまう、その着眼点の素晴らしさに感動さえ覚えます。刑事二人が尾行していた男が、電話ボックスで通話していると、目の前のホテルの三階から銃声がして男は倒れます。男は胸を撃たれていたが、電話ボックスのガラスに銃弾の痕はなかったのです。皆さんなら、どの様に推理しますか。2016/02/24
ミーホ
29
相変わらずのシチュエーションに、魅力的な謎と美しい軌跡を描くお父さんの推理。あー幸せ♡な読了感のシリーズ3作目。今回の謎は特に「これをどうやって推理するの?」と五郎の振りして聞きたくなっちゃう様な奇妙な状況ばかり。電話ボックスで銃殺された死体⇒電話ボックスに銃痕がない。般若の面を被った絞殺死体⇒自供した犯人は被せていない。散歩する公園の絞殺死体などなど。1番面白かったのは暗号もどきの筆まめな死体。その被害者の手帳見たい!!言葉遊び私も大好きです。お父さん(^ω^)エラリィのお父さんバリに愛着わいたー(笑)2016/01/06
涼
24
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-11bf77.html2019/08/07
ぶんぶん
14
【図書館】シリーズ第3弾! 今回はダイイング・メッセージや暗号などいろいろ考えられる事件の数々。 名作「9マイルは遠すぎる」にオマージュを捧げる作品など見所いっぱい。 少々マンネリかなって思うけど、元々刑事と退職刑事の二人語りがメインなので、マンネリは当然なのです。 そこに味付けの妙があり推理は続いていく、やっぱり良いですね。2016/06/25
chieeee-
8
やっぱりホステス率高いです(笑)アッと驚くような事はなかったけど、個人的には暗号化したメモの章が好きでした。連続して読むとやっぱり安楽椅子系は少し空きが来るので時間を空けて読む事をお勧めします。とはいえ読みやすい!2022/07/27