内容説明
体調が思わしくない、気力も湧かない。生きていても仕方がない―と半ば厭世観に囚われた篠原喬一郎は、三度命を狙われたとき甘んじて殺されてやろうとさえ思う。しかし、その相手だけは知っておきたいと、犯人候補者の許へ。狸親父が贖罪の巡礼を行う『人でなしの遍歴』と、孤高の学究生活を乱す虚栄心の強い妻を排除すべく“可能性の犯罪”を試みる『静かな教授』を併せ収める。
著者等紹介
多岐川恭[タキガワキョウ]
1920年1月7日福岡県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。別名白家太郎。58年に『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、59年には『落ちる』で第40回直木賞を受賞。推理小説のほか時代小説の書き手としても活躍。94年12月31日逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渋谷英男
0
「人でなしの遍歴」女絡みの人でなし☆2.5「静かな教授」凶器なしの完全犯罪だよね。☆32016/05/26
kanamori
0
☆☆☆2011/10/16
MIRACLE
0
「人でなしの遍歴」を読む(「静かな教授」は既読)。命をねらわれた男性が、自分が思い当たる関係者を順にたずね歩く、という話だ。主人公が亡き妻に語りかけるという独白調で話がすすんでいく。本作品の特徴は、だれが犯人かではなく、主人公の人物像の解明に力点をおいていることだ。客観的にみれば主人公はとんでもない人物(=人でなし)だ。しかし本人はそう深刻には考えていない。彼がつねに楽天的であるため、作品の調子は明るい。そのため「人でなし」の話でありながら、読後感はさわやか、という不思議な作品になっている。2011/04/14
紅茶派
0
収録作品 「人でなしの遍歴」1961年 「静かな教授」1960年2024/07/19
-
- 電子書籍
- あねちゅう! 溺愛悶絶美奈子さん 2巻…
-
- 和書
- こだわらないとらわれない