創元推理文庫<br> 人魚は空に還る

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創元推理文庫
人魚は空に還る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488421113
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか──(表題作)。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれるデビュー作品集、新たに1編を加え待望の文庫化。

内容説明

富豪の夫人の元に売られてゆくことが決まった浅草の見世物小屋の人魚が、最後に口にした願いは観覧車へ乗ることだった。だが客車が頂上に辿りついたとき、人魚は泡となって消えてしまい―。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きる彼らの交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれる作品集第一弾。表題作を含む五話収録。

著者等紹介

三木笙子[ミキショウコ]
1975年秋田県生まれ。第二回ミステリーズ!新人賞の最終候補作を改稿し連作化した本書で2008年にデビューを飾る。あたたかな人物描写と軽妙な筆致が印象的な期待の新鋭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

251
表題作含む4+1編の短編集。舞台は明治末期。小さな出版社の記者と、手掛けた美人画が悉く超絶人気となるこれまた超絶美形の天才絵師が主人公。明治帝都で起こる日常の事件や謎を2人の好奇心が紐解いてゆくストーリー。設定はなかなかです!解決後も犯人や犯行をあまり罰せず、人情を大事にした結末が多いのも読後の心地よい締まりに繋がっています。解説の『世界と人と謎解きと···三拍子揃った短編集の“完全版”』は誇張しすぎに思いますが...時折場面転換の突然さに戸惑うこと幾度か。著者デビュー作とのこと、以降に期待したい‼️🙇2020/05/18

yu

90
Kindleにて読了。シリーズものとは知らずに。表題作が一番好きかな。2019/01/08

papako

65
なんとなく見かけて気になって。なかなか楽しめた。超絶美形の絵師、礼と雑誌記者の高広。二人を結ぶものは『ホームズ』礼の性格がなかなか可愛らしくて好きです。イケメンでこの性格。こんな礼くんに懐かれたら、高広くんも、そりゃ謎の一つも解かなきゃね。地味な話と謎だけど、途中読みにくいところもあったけど、二人のやりとりがよくて、楽しめた。表題作が好きだなぁ。ただ、無理くりホームズひっかけなくても良いのにな。2018/09/13

アン

54
明治時代の帝都、雑誌編集者・高弘と美形の天才絵師・礼がホームズとワトソンよろしく事件を紐解いて行く。腰が低く、心優しい高弘がホームズで高飛車な礼がワトソン役の意外性に驚いた。平凡だと侮るなかれ、高弘の洞察力と閃き力は高い。ただ、とても優しく腰が低いからハイスペックな感じがしないだけ。誠実な人柄は好感が持てる人物でした。短編なので読みやすいが、淡々と進む感じでワクワクするような事件でも謎解きでもなかった。とはいえ、このコンビは好みなので今後の活躍も読んでいきたい。2017/04/24

つたもみじ

46
文庫版で再読。1話…多いよね? 時は明治、至楽社に務める記者:里見高広と、帝都一の天才絵師:有村礼の二人が帝都で起きる事件の謎を解く連作短篇集。ミステリとしては軽く、謎解きとしては少々物足りない。自分がホームズ役だなんてとんでもないと消極的な高広を、ホームズ物を贔屓とする礼が焚きつけて焚きつけて…まあ、なんと迷惑なワトソンがいたことか(笑) 殺伐とした事件は起こらず、犯人を糾弾するだけではなく、どこかほっこりとする読了感。(感想同文)2013/10/06

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