出版社内容情報
これが現職最後の担当事件か??松谷警部が駆けつけた現場は両国国技館から歩いて行ける距離にあった。被害者の十両力士は胸部を刺されており、傍らに「コノ者、相撲道ニ悖ル」と印刷された紙片が。捜査が進むなか先輩格の力士が相次いで殺害され、同じメッセージが残っていた。狭い社会の出来事で関係者も限られるが、三件全部にアリバイのない者はおらず、動機やメッセージの真意も定かではない。迫る定年の日。苦心惨憺の末、白石巡査部長が真相に至ったのは、実に松谷警部の退職二日前だった! 特別ゲストが警部の退職に花を添えるシリーズ完結編。解説=神命明
平石貴樹[ヒライシタカキ]
内容説明
必ず解決して、警部のご退職に間に合わせます―とは言ったものの、白石巡査部長は真相解明の糸口を掴めず焦っていた。犠牲者は力士ばかり、現場の共通項から同一犯と思われるが、アリバイと動機を考え合わせても有力な容疑者は浮かんでこない。迫る松谷警部定年の日。現場百遍の教えに従って調べ直す白石が見出した手掛かりとは…。フーダニットの極限に挑むシリーズ第四作。
著者等紹介
平石貴樹[ヒライシタカキ]
1948年函館市生まれ。東京大学、同大学大学院に学ぶ。83年「虹のカマクーラ」で第7回すばる文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
64
まったりシリーズ最終巻。相変わらず、面白いのか面白くないのか不思議な文章。やっぱりちょっと古いんです。昭和な香りがします。今回は松谷警部定年までの最後の事件。お相撲さんが次々に殺された。『相撲道に悖る』と遺体に遺されたメモ。果たして犯人は?白石巡査部長の推理が導いた真相は悲しいものでした。相撲道に悖るも何も人間として問題でしょう。そして巻き添えになった鷗島とカタミがかわいそうすぎる。ラストにニッキも登場して、大団円。しかし、新しいの電子書籍にするより、絶版のニッキのシリーズを電子書籍化して欲しい。2016/11/27
ミー太郎丸
31
平石貴樹さんの松谷警部シリーズの第4作。 今回の事件も過去の作品と同じスポーツ界が舞台の連続殺人事件です。アリバイ崩しのフーダニットで典型的な本格ミステリーです。 定年した松谷警部の続編が読めなくなると思うと寂しい想いも。次回は白石以愛シリーズでしょうか?2017/09/18
マッちゃま
20
北米人気スポーツシリーズのハズが…相撲も北米で人気なんやろか?「コノ者、相撲道二悖ル」と印刷された紙を残し次々と力士たちが他殺死体で発見される。狭い世界ゆえに犯人逮捕も早いかと思いきや苦戦するイアイ巡査部長。シリーズ最終話らしく様々な仕掛けも明かされます。また日を空けて、まだ未読の「笑ジグ殺パズ」も読まねばならんと鼻息荒くなりました。ああ〜コレで完結なんやなぁ〜と思うと、短編集でも良いからマッタリ班の活躍をまだまだ読みたい。氏の新シリーズ(出るんやろか?)にも期待です。2016/10/06
RASCAL
13
シリーズもの最終巻なのに、これから読んでしまった。最後まで全然犯人が分からなかった。実によくできたトリック、よくできた謎解きでした。2016/12/24
enmys07
11
松谷警部シリーズの完結編。 ラストの怒涛の解決編は相変わらずロジカル。 でも、平石さんのまとめの作品ポイ雰囲気があり、 次の作品の出版があるのか心配してしまう。2016/10/09