出版社内容情報
優等生だがほかに取り立てて特徴のない男子高校生・開沢恭平は、日曜日に幼なじみの青柳菜加に呼びつけられ、一方的に相談された。渋谷の雑踏で母親から見捨てられた子どもを保護し、家まで送り届けたが、荒れ果てた無人の室内に危機を覚え、自宅に連れてきたという。昔から行動力だけが突出している菜加は、事の重大さをまったく認識していなかった。「誘拐罪。お前がやったことはれっきとした犯罪だ」――大人たちを頼らず事態の収拾を図るため、恭平たちの波瀾の一週間が幕を開ける!
永嶋恵美[ナガシマエミ]
著・文・その他
内容説明
優等生だがほかに取り立てて特徴のない高校生の恭平。彼はある日曜日、直情的でお節介な幼なじみの菜加に呼びつけられ、一方的に相談される。何でも拾ってしまう癖のある菜加が、昨日渋谷の雑踏で母親から置き去りにされた幼児を連れてきてしまったのだ。なぜか自分の名前すら言おうとしない幼児を、恭平たちは僅かな手掛かりを元に、然るべき場所に送り届けようとするが…。
著者等紹介
永嶋恵美[ナガシマエミ]
1964年福岡県生まれ。94年、映島巡名義の「ZERO」で第4回少年ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞。16年、「ババ抜き」で第69回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nemuro
41
『黒後家蜘蛛の会 1』(アイザック・アシモフ)に続き“しりとり読書”の43冊目。数冊の購入本があって、女性作家集団・「アミの会(仮)」の作品集でいくつか短編も読んではいたが、一冊をしっかりと読了したのはもしかすると初めて。帯には「迷子を送り届ける。それだけのはず、だったのに」とあって「50ページから驚愕の展開!」ともあった。かなり鈍感な私が異変(?)に気付き始めたのはずっと遅くて中盤以降。ある種の学園もののように油断して読んでいたので、吃驚。思えば数多くの伏線もあった。流石に創元推理文庫。侮ることなかれ。2021/01/30
らび
25
15年前だと携帯の機能やUSBなんかも先端を行っていたのかもしれませんね、もう忘れたとかじゃなく当時から付いていけてなかった気がします(^_^;)妙な物ばかりを拾ってくる女子高生と弟、隣の幼なじみが巻き込まれた集団自殺を廻る事件が思わぬ方向へ進んでいく。4人の自殺者がこうなった経緯が結構ぞんざいで実は警察が解決に迫っていた・・とか後日談みたいになっていましたが、それ以前に誰でもそう思っていたと思いますが?解説の方は続編を!と希望してましたがそれには及びません。。2019/02/18
hnzwd
16
幼馴染みに引っ掻き回されて平凡な高校生が事件に巻き込まれ、、というよくある設定。お節介な性格からなんでも拾ってきてしまう幼馴染みが幼児を拾って来てしまい。。親に子供を返そうとするのがだんだん大事に。最後は若干イヤミスなのかな。シリーズ化してるのかな?2022/12/09
うまる
15
巻き込まれ系サスペンスです。拾い癖のある幼なじみが、子供を拾ってきたことで起こる波乱の一週間。創元推理文庫なのでがっちりしたミステリを期待すると肩すかしかもしれませんが、単発サスペンスドラマのようで面白かったです。少々進んでバッドエンドに向かっている感じがありますが、そうしないとお話にならないので目をつぶりましょう。章タイトルが一週間の歌になっているというセンスが永嶋さんらしいなと思いました。2019/03/10
椅子
4
何か読んでて違和感があると思ったら2005年の作品を去年文庫化したものだった。バカな女子高校生が迷子を家に送り届けようと奮闘してるところはまでは面白かったけど、この真相はちょっと都合がよすぎるというか急いで纏めすぎな気がする。2019/01/16