内容説明
新人賞受賞が内定しながら、担当編集者と選考委員の目にしかふれぬまま失われた幻の小説「天啓の宴」―デビュー二作目が書けずに悩む作家・天童は興味を覚え、その謎を追究し始める。一方『昏い天使』でデビューしつつも、第二作を破棄して失踪した宗像は、出獄してくる親友のため、山荘に篭って回想記を書いていたが…。究極の小説を希求する作家たちの織りなす傑作ミステリ。
著者等紹介
笠井潔[カサイキヨシ]
1948年東京生まれ。79年デビュー作『バイバイ、エンジェル』で角川小説賞を受賞。98年『本格ミステリの現在』編纂で日本推理作家協会賞受賞。2003年『オイディプス症候群』と『探偵小説論序説』で本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を同時受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
18
☆3.5 やや難解でした。重要なパーツとなっている『豊饒の海』は去年読んだけど別の三島作品のほうが私の好みに合ってるなあと思ったクチ。「作者の死」という概念はともかく、死体の身元が思いもよらない人物だと示唆される、状況説明ではなく小説内小説ということが判明する、実はずいぶん前に死んでいた等々、終章付近ではええっちょっと待ってどういうこと!?の連続。唯一の不満は晶の人物描写が少し薄いことかな。2025/11/08
よるのもち
12
メタ・ミステリとしての構造はきちんと把握できているのか心許ないので感想が難しいのですが面白かったです。「作者の死」に纏わるくだりは面白く読めていたのですが、後半になるにつれて混乱してしまった。解説で作品が生み出された経緯を知り、なるほどと腑に落ちました。2026/06/30
ソラ
8
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) 新人賞受賞が内定しながら、担当編集者と選考委員の目にしかふれぬまま失われた幻の小説「天啓の宴」―デビュー二作目が書けずに悩む作家・天童は興味を覚え、その謎を追究し始める。一方『昏い天使』でデビューしつつも、第二作を破棄して失踪した宗像は、出獄してくる親友のため、山荘に篭って回想記を書いていたが…。究極の小説を希求する作家たちの織りなす傑作ミステリ。 2007/09/25
しんだもずく
1
幻の新人賞受賞作「天啓の宴」をめぐる傑作メタミステリ。『ウロボロスの偽書』への応答として書かれた本ということだが、やはり氏の筆力と性分によって『偽書』よりも理論的に徹底されている様に感じた。三島やサルトル等の思想を引用しながら「作者の死」が掘り下げられていく、あるいは学生運動に絡んだ「68年的」な革命運動の思想とメタフィクションが接続されていく。並行するそれぞれの物語も面白いが、やはりそれぞれの登場人物の思想や文章そのもの、観念的な話が楽しい。トリックも好み2021/06/13
Takashi Tokairin
0
厄介な本です。2008/01/03
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