出版社内容情報
桃源郷を思わせる閉鎖された農村に行き着いた旅人たちが、いきなり連続殺人事件に巻き込まれる。犯人はこの中に? 元朝末期の中国を舞台に描く、銀牌侠シリーズ最新作。
内容説明
道に迷った漁夫が行き着いたのは、戦乱を逃れた民の子孫が王朝の変遷も知らず平和に暮らしているユートピアだった―陶淵明『桃花源記』を思わせるのどかな村にやってきた、陶華ら旅の一行。ところが、落ち着く間もなく大騒動に巻き込まれ、下手人扱いの憂き目に遭う。道すがら連れになった一癖も二癖もある顔ぶれを見ればそれもやむなしかと、凡人の陶華は溜息をつくが…。もろこしシリーズ。
著者等紹介
秋梨惟喬[アキナシコレタカ]
1962年岐阜県生まれ。広島大学文学部史学科卒業。2006年、「殺三狼」で第3回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Norico
31
戦乱の中で賊から逃れているうちに桃源郷のような村に辿り着いた陶華たちが、その村で起きる殺人に巻き込まれていきます。最初に川からバラバラ死体が流れてきたのは、なるほどなんですねー。陶華たち、仙人らしきお爺さん、攻められてる城の軍師たちと攻めてる賊軍のリーダーたちと、視点が変わるので、読みにくいなぁなんて思ってしまってました…最後まで読んで納得。中国の歴史ももっと分かった上で、前2作の記憶がもっとしっかりあれば、更にニヤニヤできそう。2016/01/12
アイゼナハ@灯れ松明の火
31
銀牌侠シリーズ第3弾はまさかの長編!桃源郷のような隠れ里で起きた連続(大)殺人事件の謎に銀牌女侠が挑みます。真相も長編なだけにスケールがでかい(ホントか!?)顔軍師とじいのゲスト出演も嬉しかったのですが、水滸伝“っぽい”好漢の登場にニヤニヤしながら読んでました。てっきり行者と鼓上蚤だと思っていたのに…と思ったら巻末で思い切りネタバレありなのねん。この二人、あまり接点がないような気もするんだけど…堅いことは言いっこなしということで、今後の他のメンバーの客演にも期待!!2012/04/03
hnzwd
15
銀牌俠シリーズ初の長編。桃源郷のような閉鎖空間を舞台に、今までのシリーズ以上にミステリ色が濃いものになっています。ミステリに寄ったためか銀牌俠の活躍は若干控えめですが…トリックもなかなか良いし、満足でした。2012/06/20
みお
14
シリーズ三作め。初の長編。おもしろかった!中華ファンタジー?武侠小説?のクローズドサークルものという、なかなか稀有なそしてそそる設定。もろこし世界観ならではのミステリ・展開がおもしろかったです。真相が語られた瞬間、驚きに興奮しました。2012/06/14
AKI
12
銀牌俠ワールド、好きです!作者いわく「あの人」に似ているだけかもしれない人達が登場すると、まるで昔からの知人に再会出来たみたいにワクワクしちゃう。あとがきでは、まだまだ続くみたいに書いてあったのに、全3巻で止まっている…いつか続編出ないかなぁ。とりあえず全話の真相が分かった所でまた1巻から読み直そうかな。こうして銀牌俠の世界は繰り返し繋がっていくのね。2018/10/26