出版社内容情報
ポオをはじめカーや横溝など古今東西の推理作家はもちろん、ミステリ・ファンをも魅了してやまない密室。七つの短編全編が密室殺人という、ファンには堪えられないデビュー短編集。新装版。
内容説明
黒星警部と七つの密室殺人。奇才・折原一の出発点となった記念すべき第一作品集。
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951年埼玉県久喜市に生まれ、白岡町に育つ。早稲田大学第一文学部卒業。日本交通公社に勤務し、「旅」誌の編集者を経て、1988年5月『五つの棺』を上梓、文筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
103
折原氏のデビュー作『五つの棺』に、二話追加して発表された短編集です。カーの三つの棺のパスティージュでしょうね。黒星警部という密室大好き主人公が、ドタバタありえん様な事件にぶち当たる、本格のパロディで楽しいです。はまる人にははまります。中でも『ディクスン・カーを読んだ男たち』のトリックは成立するとすれば正に完全犯罪であり、気長なの意味も笑えます。『天外消失事件』も最高です。密室の出来かたにトリックがある珍しい作品で、その視点の付け所には拍手を送ります。しかも落ちが効きすぎで、素直に笑えない怖さも味わえます。2014/10/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
83
黒星警部その1。短編集。密室モノのデビュー作に2編追加の新装版。デビュー作はこんなユーモア作品なんだというのが驚き。2013/12/20
さっちゃん
51
『五つの棺』に二編を加えた短編集。「迷宮警部」と陰口を叩かれる黒星警部が遭遇する、様々なバリエーションの密室殺人事件。黒星警部のとぼけたキャラがアクセントになり、密室続きでも飽きずに読むことができる。マイベストは『ディクスン・カーを読んだ男たち』。2020/10/17
ばりぼー
44
1988年発表の処女作「五つの棺」を改訂増補した密室もの短編集。25年前に「五つの棺」を読みました。叙述トリックで有名な折原さんですが、最初はこんなバカミスからスタートしていたというのを、懐かしく思い出しました。このバカバカしさを許せるかどうかで評価は決まりますね。なかでは「オール讀物推理小説新人賞」最終候補作になった(受賞していないのがご愛嬌ですが)「天外消失事件」が、御自身は「習作」と謙遜していますけど、一番まともな作品だと思います。巻末の山前譲氏の解説が、密室物のツボを押さえていてナイス!2013/11/13
へいっち(ت)♪
41
折原さんのデビュー作の改訂版。七つの密室殺人。短編全編が密室です。今まで読んだ折原作品とは全く違って意外でした。登場するのは密室事件大好きの黒星警部。黒星の迷推理ぶりが(笑)。他の作品にも登場しているようなので今度読んでみよう。2014/10/06