内容説明
謎の人物アスタロトを智慧袋に、正義感あふれる学生グループが金城学園大学の「革命」に乗り出した。手始めに乱行の悪名高い経済学部長夫人をノックアウトし、意気揚々と第二弾の計画へ駒を進める。ところが中盤に至って局面は急転、予想もしない殺人事件が待っていた！言い逃れようのない状況に追い込まれた学生たちは、千々に翻弄されながらも犯人を捜そうとするが…。鷹見緋沙子名義で発表された作品のうち天藤真の手になる、長編『わが師はサタン』と短編「覆面レクイエム」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
97
大学のマジック研究会の６人は、大学内部のの権力者を懲らしめようと、魔術師アスタロトに弟子入りをする。やがて黒魔術を使い、丹念に計画を立て実行に移すのだが、殺人事件に巻き込まれてしまう。彼らとしては、警察に申し開きの出来ない状態であり、自分たちで犯人を捜そうと試みる。天藤作品で「善人たちの夜」と本作は、微妙に雰囲気が違う。主人公たちが、真っ直ぐに頑張るというタイプではない事も一因であろう。二転三転する展開は、いかにも作者らしい巧さが在ると思うが、これぞ天藤作品というには「大誘拐」や「遠きに目ありて」を押す。2019/07/18
coco夏ko10角
14
鷹見緋沙子名義で発表した『わが師はサタン』と『覆面レクイエム』収録。男性・女性の描き方とかラスト数ページのまとめ方とか、別名義で出しただけで正体を隠してる感じではないな。2022/08/12
ＭＩＫＥＴＯＭ
5
皆さん表題作にばかり触れているので、自分はもう一編の短編『覆面レクイエム』を。夫の悪意により経済的に逼迫した若妻。苦し紛れに主婦売春を始めるがこれが夫にばれ、なけなしの全財産まで慰謝料として取られ家を追い出されて…。全６０ページ足らずだが内容の濃さはもっとふくらませても十分いける。そして物語の展開がスピーディなのであっという間に読了。なかなか面白かった。悪いのは夫か妻か、微妙なところも奥が深い感じがするね。表題作もそうだけど、これの著者が女ってのはあまりにも無理があるな（笑）2018/09/29
Tetchy
5
天藤真がオカルト!?というミスマッチのせいか、読み始めはなかなかノレなかったが、アスタロトから南郷講師へ主人公グループの指導者が替わる辺りからなんとかテンポよく読み進められた。ストーリーはその後も二転三転し、なかなか先を読めなかったが、最後は、意外というわけでもなく、こちらの思ったとおりの犯人に落ち着いた。しかし、いまいち主人公には共感できなかった。ろくでもない人間が多く出てくるのも気になった。2009/06/30
志摩子さん
3
今まで読んできた天藤真さんの作品と全然カラーが違っていて驚きました。黒魔術のシーンでは官能的というか性的？で思わず発情？しました←ww2013/12/01
