内容説明
地方都市を牛耳る事業王吉川太平に殺人予告が届く。その陰謀を偶然耳にした青年は容疑者を追うが、逆に襲われ殺されてしまう。彼のガールフレンド三村早苗は、太平の押しかけ秘書となって真犯人追及に乗り出すが…。非情ともいえる独裁者吉川の家庭内の人間関係は複雑に絡み合い、殺人予告が引き金となったかのように惨劇が相次ぐ。二転三転する犯人像、はたしてその真相は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koma-inu
35
真っ先に殺されそうな性格の主人公の、周りの人達が次々と殺されていく、型破りなミステリ。主人公の手記形式で話が進むが、なんともゲスな内容💦が、何か憎めないユーモア性もあります。トリックは、この時代では、とっても斬新だったのでは?特に、グラスのトリックは、言われてみれば、と思いました。手記の締めくくりも秀逸。ミステリとしては面白いけど、ゲスシーンをどれだけ許容出来るかで感想が変わるでしょう。オススメ方が非常に難しい問題作。2024/09/22
coco夏ko10角
24
藤川市の大富豪・吉川太平による事件当初からの手記形式の小説。タイトルがすごいわ。それぞれのやり方で命を狙ったり死んでいったり。このペースが人がいなくなっていくとどうなるのか…と最後まで面白かった。2020/09/17
ジュンジュン
11
ラブホで、とある地方のドンの殺害計画を聞いてしまったカップル。その直後殺された彼氏の仇を討つ為、彼女はドンの秘書になって…というお話。それも全編ドンの手記で語られる。これは面白いぞ。期待しながらページを捲ったが、ナニコレ?天藤真といえば、「大誘拐」に代表されるユーモアミステリの旗手だと思ってたけど…ちょっと下品すぎないか?2025/02/11
Tetchy
9
全く以って天藤真は素晴らしい。またも我々ミステリ・ファンを興奮させる趣向でもてなしてくれた。題名はもう少しどうにかして欲しいというのが本音だが、内容は今までに比べ、結構ハードだ。何しろ題名のように7人もの死者が出るという虐殺劇である。更に今回感心したのが狙われる主人公が筋金入りの色魔で大会社の社長であり、街の大権力者という読者に同情を許さない人物に設定した点にある。これが故に本来ならば悪人が最後に笑うというざらついた読後感を残す所を従来の天藤作品同様、一種の爽やかさを備えている点、脱帽である。2009/06/23
志摩子さん
8
最後が皮肉。2017/06/24