出版社内容情報
華やかなりし社交界の花形にして暗黒街の女王、その左腕には黒蜥蜴の刺青が――稀代のダイヤモンド「エジプトの星」をめぐって名探偵・明智小五郎を翻弄する女賊・黒蜥蜴。「あいつが私をとらえようとすれば、あいつは逃げてゆく、夜の遠くへ。……最後に勝つのはこっちさ」江戸川乱歩と三島由紀夫、ふたつの才能が交わり生まれた、美しくも妖しき黒蜥蜴の物語。
【目次】
内容説明
二の腕にあざやかな黒蜥蜴の刺青を持つ妖艶で美貌の女賊、黒蜥蜴と名探偵明智小五郎が、誘拐された宝石商の令嬢と「エヂプトの星」と呼ばれる秘蔵のダイヤモンドをめぐって対決する。しかし、追い、追われるうちに、いつしかふたりの間に恋慕のようなものが芽生えはじめ―。江戸川乱歩の傑作推理小説を翻案した三島由紀夫の名作戯曲を、装いも新たにお届けする。
著者等紹介
三島由紀夫[ミシマユキオ]
1925年東京生れ。本名、平岡公威。東京大学法学部卒。49年、初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行し作家としての地位を確立する。70年、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。没後50年以上経った現在も国内外で愛読され続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
58
宙組公演「黒蜥蜴」観劇前の予習。ずいぶん前に読んだきりだったので結構忘れていました。20年以上前に美輪明宏さんの「黒蜥蜴」も観に行ったけれど、文章を読んでいると、あの時の美輪さんの口調セリフ回しが心の中でよみがえりました。そして耽美な世界観にぴったりな馥郁とした香りも。宙組はどんな舞台を魅せてくれるかしら。楽しみです。2026/08/03
Y2K☮
36
戯曲。黒蜥蜴のセリフの端々から三島由紀夫の刹那的な美学が伝わってくる。江戸川乱歩の小説版を読んだのはだいぶ前だけど、そちらではどうだったか。明智小五郎は少年探偵団シリーズだと、デオドラントの行き届いた完璧なヒーロー。今作においても非現実的な超人であることは同じだが(むしろそこに社会派ミステリーと一線を画す意図が込められている)垣間見える苦悩、均衡の危うさに惹き込まれた。長生きした世界線の三島なら、闇落ちした名探偵の悔恨を込めた力強い悪の栄えを存分に描けたのではないか? 美輪明宏が主演した映画もまた見たい。2026/06/10
さや
9
紡がれるセリフがひたすら美しい。妖艶で現実感のない女賊、黒蜥蜴の物語にぴったり。早苗と雨宮の歪さも、もはや酔狂さもあるような黒蜥蜴を追う明智も、美しく翻弄していく黒蜥蜴も、それぞれが種類の違う狂気を美麗な言葉で魅せられた。「最後に勝つのはこっちさ」の一連の黒蜥蜴と明智の掛け合いが特にお気に入り。2026/08/13
ワイエムエスティみどり
9
宝塚歌劇宙組公演の「黒蜥蜴」はこの三島由紀夫の戯曲をミュージカル化したということで読み始めました。戯曲というジャンルを読むのはシェイクスピア以外では初めてです。舞台の台詞を聞くだけではわからなかった「ムソウ」という言葉を漢字で見て理解できたり、台詞の美しさを文字でより味わえたり、俳優が役として発するとああなるのかと舞台を思い出したり、と、とても楽しめました。口に出して読みたい、いや、もはや、演じてみたくなります。あとがきには、宝塚で舞台化というエピソードもあり、タカラヅカファンにはオススメの1冊です。2026/06/08
うさぎや
7
映画版を観ながら読了。なんとも妖艶な女賊と探偵との交歓。2026/07/05




