内容説明
探偵小説芸術論を提唱した木々高太郎の代表的長編。第4回直木賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムル
4
失敗作とは思うが、北村薫による解説「三位一体の『人生の阿呆』」が素晴らしくて、それだけでもうお腹いっぱいになれる。ただし北村薫もこの作を失敗作と断じているが。2014/05/01
せんか
3
文章が古めだからかもしれないけど、時代の描き方が味わい深いお話でした。個人的にはけっこう好き。
おさむ
2
戦前の推理小説。主観的な視点を初めて折り込み、探偵小説芸術論なるものを打ち出した作品だそうですが、今読めばフツー。当時はロシア語がそんなに普及してたんでしょうか?この暗号はわかりませんよ。ソ連の旅が写真つきで細かく描写されてるのも謎。直木賞受賞作。2013/06/09
東森久利斗
1
提唱する探偵小説芸術論を自ら実証しようとする作家魂に賞賛。昭和テイストな純文学への探偵小説の味付け、芸術と娯楽の融合化への挑戦。無理に探偵小説の体裁を整えようとしたため、堅さとぎこちなさが否めない、苦労がしのばれる、結果として純文学感がアップ、探偵小説芸術論な雰囲気を醸し出すことに成功。戦前の匂い、ロシアの写真がレトロでたまらない。細かいところを突っ込むのは、野暮というもの。推理小説マニアとして、黙って読すべし。2024/10/12
Gen Kato
1
再読。初読のときはあまりにも時代性が濃厚すぎて受け入れがたかったんですが、今回はじっくり楽しみました。木々高太郎はもっと復刻してほしい作家のひとりです。2015/08/05