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創元推理文庫
千尋の闇〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 419p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488298029
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

チャーチルやロイド・ジョージとともに若くして大臣に抜擢された新進政治家ストラフォードは、喜びも束の間理由もなく婚約者に去られ、閣僚の座を追われた。歴史の闇に立ちすくむ彼を思い、元教師のマーチンは、いにしえの謎に踏み入るが…?一編の回顧録を手がかりに、埋もれていた絶望が、悪意が、偽りが焙り出されていく。物語は、運命の転変が鮮やかに立ちあがる終幕へ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

38
上巻でミスリードか?との予想は、その通りだった。その陰で暗躍していた人物も、やっぱりと思ふ。フツーはそれでチャンチャン終、のはずが、まだ200ページほど残っている?なんと!ここからが本筋か?と思うような展開。全くノーマークだった人物が、実はストラフォードを殺した犯人で、そのうえマーチンとエリザベスを追い詰める!ゴダートさん、ズルイですわ。「戻ろうにも戻れなくなろうとは、つゆ知らず」など、えっ、どうして?という一文が、まるで続き物の次号予告のように折りこまれるので、ついつい止められず読み続けてしまうなんて。2025/06/30

白玉あずき

19
高潔な人と卑劣な人、その極端な描き分けはどうかと思うが、これがなんと処女作ですよ!登場人物それぞれの思惑で二転三転するも、破綻なく最後まできっちり持っていきました。ああ面白かった。語り手が最後にこんなひどい目にあうなんて、これは予想を超えていましたが、まあ生活の保障ができたからいいか。少しは救われたかな。これでゴダードの人気3作品を読了、大体のパターン、お好みが見えて来たので、当分はお腹いっぱい。最後に一つだけ。イヴの存在だけは理解不能でありえないと思う。 2016/05/08

sabosashi

16
イギリスの二十世紀政治史が取り沙汰されるが作者のイマジネーションは留まるところを知らない。政治史というより政権史か。しばしば引き合いに出してしまっているがドリス・レッシングの『黄金のノート』の対極をいくもののようにみえる。政権史なんていう醜いことばを用いてしまったが、もちろんその下には人間ドラマが渦巻いている。これも使い古された常套句ではあるが。ボーア戦争やらインドやらにも関わってくるのは、それこそレッシングと向き合っているといえる。2023/06/06

アプネア

15
新進気鋭の政治家の身に降りかかった不可解な拒絶。これが人生の悲劇となり、謎となり物語を牽引する。過去になされたこと、なされ得なかったことへの悔恨が覆い。語るべきことが語り尽くされたとき。一体何が発現するのか・・・。う〜ん夢中にさせる部分もあったが、思い出補正がかかっていたのかも。少し冗長に思うところもあったな。2023/02/15

おすぎ

10
【上司からの頂き本】久々の翻訳本に上巻前半は苦労しましたが、慣れてからは展開のスピード、内容の濃密さともに一切の無駄がなく、ストーリーに没頭、ミステリーとしての完成度は非常に高く、一級品だと思います。ただ海外文学はどうしても作中キャクターの名前が被ってしまう…2016/02/14

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