出版社内容情報
滝から落ちてきたホームズを救った、のちの幽霊狩人カーナッキ。悪のモリアーティー教授の知られざる過去、電気式五芒星、そしてあの大事件の真実……二大探偵共演の物語。
内容説明
のちに幽霊狩人として知られる若き日のトマス・カーナッキは、美しい女性アンナ・シュミットに出会い、ともにライヘンバッハの滝へ赴くことに。そこで彼らは、滝の上で二人の男が争い、片方が突き落とされるのを目撃する。川を流れてきた男は一命をとりとめたが、記憶を失っていた。そんな彼らに迫りくる謎の男の影…。ホームズの大空白期間を埋める、二大探偵夢の共演の物語。
著者等紹介
夏来健次[ナツキケンジ]
1954年新潟県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miroku
18
記憶喪失のホームズ、若き日の幽霊狩人カーナッキがコンビを組んで・・・。これが面白くないわけがない!好物・好物・大好物!2013/07/15
ぽま
9
所謂ホームズの大空白期間の始まりを辿ったパスティーシュ。全体のオカルト臭さや憑依ホームズの魅力の無さはさて置いて、ライヘンバッハの死闘に関してが問題。滝に落ちたのは実はホームズの方だったという大胆なアレンジは結構だが、これではホームズが『空き家の冒険』で語った死闘の下りが嘘八百になってしまう(モラン大佐による攻撃等)。なぜホームズがワトスンに「真実」を話さなかったのか、正典の記述との整合性が最後まで取られていないのが残念。苦言ばかりになったが、モリアーティ教授の過去の下り等は非常に読ませる作品。2012/01/03
ワッピー
6
名探偵の謎の空白時代を埋めるパスティーシュで、犯罪王との対決、のちのオカルト探偵との共演、切り裂き魔との対決と非常に盛りだくさん。ほかの方も指摘していますが、ホームズではないホームズよりも、モリアーティの知られざる過去のほうが魅力的。ワトソニアンのワッピーとしては、「本物の」ワトソン博士の登場と活躍が何よりうれしい作品でした。2011/12/31
れもん
6
ホームズ、カーナッキに詳しくなくても(ほとんど知らなくても)愉しめる作品になっている。本の厚さと文字の小ささに戸惑ったけれど、ペースにのるとあっと言う間に読了。モリアーティーの回想部分が一番よかった。2011/09/25
鐵太郎
5
面白いところはあった。ホームズ・パスティーシュとして頑張ったのはたしか。そう、トマス・カーナッキという「幽霊探偵」のことを詳しく知って好感を持ち、この作家のヴィクトリア時代へのすさまじい無知と偏見が許せるほど心が広かったら、面白く読めたのでしょう。しかしホームズの時代に耽溺していたオイラにとって、この本は時間の無駄に思えました。これほどまであの時代を知らない人が書く本は、楽しくない。詳しくはwebで、じゃない拙サイトで。(笑)2011/07/19