内容説明
深夜、病院の新生児室から赤ん坊が消えた。奇しくも、最初に異状を知らせたのはデッカーの娘。生まれたばかりの妹を見ていて、隣室の様子に不審を抱いたのだ。デッカーは他人事とは思えず、事件解決のために立ち上がる。失踪した看護婦は犯人なのか?それとも、事件に巻きこまれただけなのか?捜査の末に浮かび上がってきたものは、歪んだ罪と贖いの物語。心に残る第六長編。
著者等紹介
高橋恭美子[タカハシクミコ]
1960年生まれ。関西外国語大学外国語学部卒。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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み
21
何ともヤな結末です。が、一気読みするほど引きつけられました。家族が1人と1匹増えましたね^ ^そして、作中に携帯電話登場!2024/06/21
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
21
デッカー刑事の娘が生まれた夜、同じ病院から別の赤ん坊が誘拐された。デッカーとリナ夫妻のシリーズ。話は母娘の確執、狂信、更年期のホルモン異常による精神の不安定、病院の絶望的までの人出不足、と盛りだくさん。リナは産後の病気により子供をこれ以上産めなくなる。小説の中でその事でずっと取り乱しているのだか、「母ちゃんになったんだからしゃんとしなはれ!」と思ってしまった。自分も同じ経験したらそうも言っていられないだろう、と思われそうだが、嫌な事があったら「子供がいるし」と乗り越えてきたからだよ。2015/11/03
ほちょこ
13
デッカーの家族愛がだんだんウザくなってきた(笑)いい人すぎるんだなぁ。そんな中で作品に艶を出すのが、同僚マージとの推理合戦。マージの女性らしい気配りと、事件に向かう真摯な姿勢に惚れ惚れする。2016/04/02
Yoko
11
冒頭のデッカーは駄々っ子全開でやや辟易しました、正直。作者は家族のストーリーありきで事件を肉付けするんだろうか。見事なシンクロ。シンディが首を突っ込みすぎなところが気になるけれど、今後の展開への布石と思ってガマン。シンディの成長でデッカーとの関係が成熟したものになっているのは嬉しいこと。相変わらずマージとのやりとりは爽快だけど、事件解決への糸口が仮定や推測ばかり。警察小説ではない、てことでこれもガマン。2016/04/27
Koning
9
家族と母性と歪むと大変だけど、この二人の家族はなんというか大変だけれどいい具合にきてるよね。 読後感はやりきれない気分がぐあ~っとなる感じなんだけど、この家族のお陰でオッケーという。にしても確かにもうミステリ枠で読まない方がいい小説というか、なんというか(汗。2012/11/15