内容説明
彼女は脱ぎ捨てられた服のように横たわっていた。ライラ・ブレヒト―往年のハリウッド女優を母親にもち、みずからは高級フィットネス・クラブを経営する美貌の主。現場に到着したデッカーは、レイプ及び盗難の被害者となったライラの纏う尋常ならぬ空気に当惑しながら捜査を開始するが…。スリルに富む展開と、異常な家族を中心に織りなされる謎とで、読者を魅了する第五弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
21
レイプ事件発生。殺人がおきないまま物語は進む。女優の母とスポーツクラブ経営の娘と3人の医者の息子。5人とも恐ろしくゆがんだ性格でデッカー刑事の捜査はすんなりといかない。こじれた中で殺人がおきる。ケラーマン氏は本当にエキセントリックな女が出てくるなあ。2016/03/17
み
20
細切れで読めるレベルのワクワクでした、良かったような悪かったような。女子二人がイヤなキャラすぎたからだと思います。次作は、もう少し普通のヒトが良いな。2024/06/18
ほちょこ
17
寝る間も惜しんで捜査に乗り出すデッカーと仲間たちを嘲笑うかのような容疑者たち。どいつもこいつも胡散臭い。推理ものとして、だんだん面白みが出てきたシリーズだが、ぐだぐだに疲れたデッカーの癒しとなるのはやはり家族。読んでる側も癒される。2016/03/29
Yoko
15
前巻まででデッカーが出自に関わる問題にいろいろな意味で区切りをつけられた(でもマージにさえ話していなかったなんて驚いたけど)ことで、この5作目では警察小説的な要素が復活した印象。スピード感のある緊迫したシーンでハラハラしたり、いつもながらクセのあり過ぎる関係者にうんざりしたり。そして新たな家族を作ったデッカーゆえの悩みや心配、それを補って余りある幸せも描かれます。常に率直に気持ちをぶつけ合う2人をうらやましく思ったり胃が痛くなったり。そしてラビとの時間は毎度私にとっても学びの時間になっています。2016/03/27
bapaksejahtera
14
往年のハリウッド女優を母とし、自分はフィットネスクラブを経営する美女から、レイプされ盗難にあったとの訴えがあり、主人公デッカー刑事が現場に赴く。いきなりデッカーに強い執着を見せる被害女性は、破られた金庫からは、亡父であり高名な映画監督が自分に遺したという自伝の原稿が盗まれたと主張。手がかりの少ない中捜査は進むが、次々と起こる殺人事件。捜査の叙述は手堅く、主人公の愛妻や家族模様も描かれ退屈ではないが、被害者と登場の面々は容赦ない下司共で、全く共感が得られぬうち、物語は曖昧なまま終了。爽快感は得られなかった。2024/12/21