感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
31
出版を拒否された経緯を持つ、ニューヨークが舞台のサスペンス。病気で死期が迫った元大学教授の、あまりにひどい人種差別主義の表現が出版をためらわせる原因と言われる。そしてイタリア系の私立探偵がもう1人の主人公である。こちらは盗まれた絵画を捜索。2人の生活が微妙に交差して、最後の時を迎える。文章が回りくどく読むのに時間がかかるけど、鬼才エリンらしいただならない雰囲気に満ち満ちている。それにしても中世の拷問は現代のどんなシリアルキラーもかなわない。食事として辛子を食べさせて酢を飲ませるなんて、誰が思いつくだろう。2018/01/18
カニ,大好き
2
ガン末期の歴史学者。それまでリベラルな人物だと思われていたのに,彼の真意はまったく異なっていた。人種差別意識が強くて,自分の死に直面して,あろうことか,自分のアパートを住民ごと爆破しようと目論む。片や,黒人の女性に恋をしてしまったイタリア人。NYでのまったく関係のないはずの出来事が重なっていく。スタンリィ・エリンの本ははじめてだったけど,読み応えありました。2010/08/02
ルウ
1
★3 聡明寛大だと思われてた老人が、実は気が狂った人種差別主義者のエロジジイだったって話。2014/11/07
takeshi3017
1
カーワンの犯罪計画の “本当の理由” を知ったとき、 彼の決して人を信じず 愛することができない悲しい性格に哀れみを覚えるだろう。 ミラノの話は、彼の人としての成長物語でもある。 以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file2/neta5801.html
竜
1
エリンは初めて読みました。くせ玉のイメージがあったし、表紙デザインも紹介文からもおどろおどろしい内容と想像していましたが、意外やタイムリミットサスペンス+探偵もの+αとかなり贅沢な内容。老学者カーワンがどことなく憎めないキャラで、根っからの悪党でないだけに、最後はどうなるかページをめくってしまいます。ロリーナなど後半中途半端な扱いになって残念な部分もありますが、面白かったです。2011/12/08
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