内容説明
どうしてこんなことになってしまったんだろう?春までは、受験も遠い第四学級生として控え目な青春を送っていた。それが今、この日盛りの街をゆく自分は、マタニティ・ウェアをつけ、人々の好奇のまなざしを浴びている。しかも、ふくれたおなかの中に赤ん坊の姿はなく、ぶざまに詰め物がしてあるだけなんて…。十五歳の少女が体験した、ある夏の物語。鮮やかなサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
21
ミランダは15歳。マタニティ姿で登場してビビらせるがお腹は詰め物。と安心させる間もなく、実はパーティで先輩にヤリ捨てられてしまって妊娠。出産の決意をするも両親に押されて(父は政治家)中絶後、母と喧嘩して家出とここまでが冒頭部分。飛ばしてます。フレムリンはドメスティックサスペンスを得意とし、多少デフォルメや誇張があっても現実にいるいる!な市井の人々を集めてこねくり回し、狂気に突っ込んだりイヤミスで炸裂させる人です。こちらも途中からうええ!ぐええ!な展開になりますが、終わってみれば驚きの白さ。よくできてます。2016/01/15
naminnie
5
「桜庭一樹オススメ!」という言葉にフラフラと購入。桜庭さんがお好きな感じがしました。どうなるのかどうなるのかと思いきや、なるほどそういうことかー!と納得。最後は十代の溢れる若さが伝わってきて、良かったのかも、と思わされてしまうのがお見事☆2011/07/27
YH
5
面白かった!母親、娘、母になれなかった女、嘘、思い込み、物語を作る要素の一つ一つがとても良かった。特にミランダの、母になることの憧れ、挫折、母親との葛藤や家出、そして嘘が少女らしい危うさの上に成り立っている様がとても良かった。2009/05/22
けいちゃっぷ
4
タイトルを見たときはホラーかと思ったぞ。 15歳のミランダはパーティであこがれの君とひょんなことから初体験し妊娠してしまう。 両親の反対もあってやむなく中絶をするが、ある日お腹に詰め物をして家出をし、若者が集団で暮らすところに同居することとなるが・・・。 これをミステリと言っていいのだろうか。 249ページ2012/12/01
浅海
4
無鉄砲・無自覚?なお年頃の女の子がとぉーっても苦手なので前半はちょっぴりイライラしてたけど、誘拐事件と絡まり合いだしてからは加速。面白かった。2009/03/04