内容説明
肌寒い三月のある夜、小糠雨に打たれながら行われた反原発デモが、突如暴動へと発展した。信じられぬ思いで惨状を見つめるバンクスだったが、事の展開はさらに彼の予測をうわまわる。乱闘のさなか、ひとりの警官が刺殺されていたことが判明したのである…。雨が匂うヨークシャーを舞台に、人の心の深淵に分け入る第三弾。別れの予感が全編を律する、現代英国ミステリの逸品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
6
バンクス首席警部シリーズ三作目。次第に小説が長くなり、文庫で500頁に迫る。この後シリーズは700頁を超え更に上下に分かれる。本作でも記述はバンクスや登場人物の心理に踏み込む。しかしおなじみハッチリー部長刑事に代わり、ロンドンから特別捜査官として警視バージェス登場。彼が悪役として滑稽を演じる。お陰で楽に読み通すことができた。本作は1989年作品。原発反対デモに襲いかかる警官の一人が殺される。60年代から70年代にかけての反体制運動の名残り濃厚な共同農場に潜む少年虞犯者が逮捕されてスタート。まずは合格作品。2021/09/15
熊猫
5
積んであったピーター・ロビンスン。 捜査の過程とか嫌味な上司とかは読ませるんだけど、終わり方がなぁ…。 シリーズのテーマの一つである男女の考え方の差を描くにしても、ラストのマーラの叫びが悲しすぎる。 これ、男の人はどう感じるのか聞いてみたい。2015/04/18
チェス
0
切ない……2015/12/19
たまき
0
シリーズ3作目。ロンドンからテロ担当の警視が派遣されてきたが、バンクスが旧知のいけ好かないやつだった。偏った捜査の方針で事件は行き詰まる。そして関係者の死体がまた一つ。 妻子が留守で孤軍奮闘するバンクス、焦げたトーストと冷凍ディナー、行き付けのパブでの食事。 結構長い。よく考えると動きも少ないが、読みたくなる本。最後はだいたい思ったとうりの結末だった。それでも面白かった。バンクスとバージェスの綱引きがメイン。ひどい男と善人。これがこの本の面白さ? 2012/05/18
kn
0
タイトル通り。2021/11/05