創元推理文庫<br> 夏の稲妻

創元推理文庫
夏の稲妻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784488267032
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。上院選立候補中の議員がSM行為?ウェルズは慎ましく情報提供の申し出を断ったが、翌日ケンドリックは死体となって発見された。失職の危機に瀕したウェルズは、職業生命を賭けて卑しき街をさ迷うが…。夏の終わりに、彼が到達した真実とは?アメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞に輝く第三弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

46
新聞記者ウェルズ シリーズ ハードボイルドな第三弾。議院の性的スキャンダルを知らんぷりしたことから、社で最悪の立場に立たされたウェルズ。汚名返上のタイムリミットまで、真相を記事にできるか!というストーリーです。タフなシーンがパワーアップしていて楽しめます。上司からのプレッシャー(これがまた嫌なヤツ)と、記者としての矜持のせめぎ合いで、読んでいるこちらの方にイライラがつのります。シリーズを通して若き美人記者ランシングに想いを寄せられてきた中年ウェルズ。新たな展開を期待しつつ最終巻へ続きます。【MWA賞】2019/08/14

しゃお

29
再読。「さらば、愛しき女よ」を思い起こさせる本作はシリーズの中でも屈指の面白さ。主人公自身が他紙のネタになってしまう失態を犯したウェルズが自身の名誉と職をかけて事件を追う中で辿り着く真実はなんとも物哀しい。ランシングが見せる苦悩に気付いていながらも直視しようとしないウェルズが、終盤で魔女を相手に取る行動は敏腕記者としては共感しがたいけれど、それがあったからこそラストのウェルズとランシングの姿があるのかも。また、記者として矜持を失わないウェルズの姿はなんとも古き良きハードボイルドを思い起こさせますね。2019/04/22

bookkeeper

28
★★★★★ 再読。スキャンダルの写真の購入を断って、特ダネを逃したとして窮地に立たされるウェルズ。田舎から出てきた純朴な青年とのやり取りでクスッとし、終盤で明らかになる"魔女"の正体に慄然とさせられる。が、もはや事件の真相よりもウェルズとランサーの関係の方が気になります(笑)。ファンの間では有名な「ランサー血の粛清事件」のエピソードはこの巻で出てきていたのか。ラストの二人の佇まい…寄り添えど決して一緒になれない哀感が余韻たっぷりです。 「あなたは決して誰とも、本当の意味で親しくなろうとしないってことよ!」2019/02/20

Ayah Book

20
新聞記者ウェルズのハードボイルドシリーズ。初めての作家さんだが、苦手なタイプだった。島耕作みが強い。ウェルズは46歳の敏腕記者らしいのだが、自分よりも20歳も若い女の子たちばかりにセンチメンタルな感情を抱き、向こうからも慕われている。まあ89年の作品だからしょーがないが、「ブルーベル」のバークさんに文句言ったのが申し訳なくなる。バークさんはやっぱかっこいいよ。。。ストーリーも進みが遅く、ウェルズが女の子といちゃついてるだけで、いつの間にか終わった。一番の山場が、チンピラとの喧嘩とは。。。2022/07/26

bapaksejahtera

16
著者の事件記者物の5作中4作目。本作を以て全作読了となる。皆1990年代初の作品で、既にパソコン時代にも拘らずタイプライターに固執する40代の敏腕記者が、主人公自ら果敢に事件の解決とスクープに挑む。彼を慕う若い同僚女性記者が登場する。今回は下院議員のスキャンダル写真を売込んできたポン引きの男が、記者に謝絶された後に殺される開幕。記者に犯罪の嫌疑が掛るのではなく、情報取引の可否を巡る社内対立で生ずる本人の首切りが心配事と、やや気楽。46歳記者の悪漢達との太刀回りが不自然ではあるが、ユーモラスで軽快な作品だ。2023/03/21

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