出版社内容情報
移民の若者によるレイプ? 同性愛者による犯行? 次々と浮かぶ可能性に、人員不足のなか必死で捜査を進める刑事たち。だがそんな彼らの努力を嘲笑うようにまたも犠牲者が。
内容説明
リンショーピン郊外では森林火災がすべてを焼きつくそうとしていた。娘が元夫とバリに旅立ち、寂しさをこらえつつ少女たちの事件を追うモーリン。犯人は移民の若者、それとも同性愛者?次々と浮かぶ可能性に必死で捜査する刑事たち。だがそんな彼らの努力を嘲笑うようにまたも犠牲者が。少女たちの声はモーリンに届くのか。世界25ヵ国で出版、本国で150万部突破の人気シリーズ。
著者等紹介
久山葉子[クヤマヨウコ]
1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒。スウェーデン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Masa
10
読了。いやぁ、良かったよ。やっぱり良かったですよ、これ。結末はまさにハラハラドキドキ。重苦しい雰囲気で進む中、最後のこの転調は好みです。唯一理解できないのがセックスに対する考え方。まぁこれはどうしようもないし、国が違い、人が違えばもう考え方は無数にあるとわかっているので、どうしようもないですね(ぼくのスウェーデンの知り合いはスケベだけど結構ストイック)。このシリーズ、訳者の久山さんが版権買わないと日本でも刊行されないのかな? どうなんだろう。とにかくシリーズすべて翻訳して出版してほしい!2017/11/09
siva
9
女性刑事が主役で少女たちの殺人事件を捜査するミステリー。映画ラブリーボーンみたいな設定あり。この小説にも北欧ものに多い差別社会の描写が。ただし女性差別ではなく移民差別。福祉国家の闇は深いなあ。何人もの心理描写が出てくるので読みにくい。孤独を身内に抱えた登場人物が多い。寒い国の暑い夏、クーラーがない場所が多いってきついだろうなあと横道な感想。2014/08/18
星落秋風五丈原
6
娘に悩む女性刑事というパターンは初めて。2014/04/01
琴華
4
前作ではスッキリ感があまり無く、モヤモヤが残る終わり方でしたが、今回は上巻で広げた風呂敷を綺麗に回収されていました。この著者にだいぶ慣れてきたせいか、楽に読み進められました。モーリンとヤンネの関係が良くりそうな感じで終わっているのに、最後の解説でのネタバレに苦笑。ですが、次回作も読んでみたい。2016/03/06
うーちゃん
3
かったるかった上巻とは打って変わって、話がどんどん盛り上がっていく。捜査で犯人が浮かび上がっていく過程に不自然さはなく、犯人の動機もなるほどと納得できた。しかし、人間の性(さが)のなんと罪深きことよ。さて、「モーリン・フォッシュ」シリーズの第3作目は翻訳されるだろうか? リンショーピン市警犯罪捜査課のその後は読んでみたいが、この情緒的するぎる文体では日本で多くの読者を獲得するのは難しいだろう。なお、署長の指揮下にあるスヴェン・シェーマンを「本部長」と呼ぶのは直訳かもしれないが、日本の読者は大いに混乱する。2013/11/16