創元推理文庫<br> 悪女

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創元推理文庫
悪女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488253073
  • NDC分類 959.9
  • Cコード C0197

出版社内容情報

20世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子供が何人も失踪していた。噂ではその血をすすり臓物を喰らう化け物に攫われたのだという。そして今日また一人、新たな子供が姿を消し、頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。その化け物の名はエンリケタ。「私」という全知の存在が、「吸血鬼」と呼ばれた稀代の悪女の恐ろしさとおぞましさを語り尽くす。現役の犯罪捜査官が、町中を震撼させた犯罪者の実話に材を得て描いた戦慄の物語。

マルク・パストル[マルク・パストル]
著・文・その他

白川貴子[シラカワタカコ]
翻訳

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

99
20世紀初頭バルセロナを震撼させた悪女エンリケタ・マルティの凶悪事件の実話が元になっている。児童らを誘拐し、売春斡旋し、使いものにならなくなったら殺してしまうのだが、それがただの殺しではないところが恐ろしい…。本書では、若干描き方が違うところもありますが、当時の時代背景を感じることが出来ました。しかし、こういう結末かぁ〜と、なんだか不完全燃焼気分です。2018/06/02

みや

28
20世紀初頭バルセロナで吸血鬼と呼ばれたエンリケタ・マルティによる子供失踪事件を紐解くサスペンス。現役捜査官が実話に基づいて書いており、刑事ミステリの風合いだが、冒頭で犯人が明言され、語り手は「死神」という設定が非常に面白い。子供が攫われること、死神がいつでも見ていること、この物語の二つの主軸が死は常に側に在ることを読者に意識させ続ける。全体的な起伏の乏しさが猶更、死は当たり前にあるものだと感じさせたのかもしれない。賛否分かれそうな結末も私は好き。少ないながらも眼球フェチにはたまらない場面もあって嬉しい。2019/10/10

ネコベス

22
二十世紀初頭、貧富の差が激しくアナーキスト達がうごめく混沌とした街バルセロナで幼い子供が何人も行方不明になり子供をさらう吸血鬼の仕業だと言う噂が街に流れていた。荒々しく正義感の強いコルボ警部が権力者達の捜査妨害にも屈せず執念の捜査を続ける。全知の存在らしい死神を語り手にすることで作中に一風変わった雰囲気を生み出している。実際の事件を題材にしておりミステリでもホラーでもない不思議な感触の小説で楽しめた。ラストはちょっとすっきりしない。2018/05/21

こう

12
20世紀初頭のバルセロナで実際に起こった子供の失踪事件を元にした小説。子供を拐って血肉を貪る「吸血鬼」と呼ばれた稀代の犯罪者エンリケタとそれを追う警察。物語が全知の語り手である“私”によって語られるというちょっと変わった作品。エンリケタが子供の眼球をくりぬき噛み潰す描写はなかなか…。最後の結末はちょっと残念でした。2018/08/07

アカツキ

11
20世紀初頭のバルセロナで幼い子供が何人も姿を消していた。そんな時、男が首を噛みちぎられて失血死した死体が見つかり、吸血鬼の噂が広がる。コルボ警部は上司の反対を無視して犯人を捕まえるため捜査を進めていく…。実在した誘拐殺人犯"吸血鬼"エンリケタを題材にした小説。エンリケタの恐ろしさで持っている作品で、彼女が関わらないシーンは退屈。訳者のあとがきにある事件のあらましの方がわかりやすいし、よく書けているような…?私には合わなかったんだな。2020/11/24

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