出版社内容情報
博物館から消えた古書、ペントハウスの密室殺人、古の詩どおりに現われては消える竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当て真相をあばくのは、日本人執事を従えた謎の紳士タラント氏である。巨匠クイーンが「黄金時代におけるもっとも想像力に富んだ短編集」と評した傑作短編集に、未収録作品4編を追加。不可能趣味に満ちたシリーズ全作品を網羅した文庫決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
94
「この世には説明不可能なものはひとつもない」ってタラント氏も京極堂のお仲間ね。と言いつつ、何だ、「最後の取引」の結末は。ホームズのライヴァル系探偵で珍しく真剣に恋してるのが微笑ましい。結婚に至らないのが残念だが。「<第四の拷問>」はポオのあれやホームズのあれのヴァリエーションね。新樹社版も読んだ筈だが、全然覚えていなかった。「消えたスター」だけ何かのアンソロジーで読んだの覚えていた。この記憶力の衰えのせいで、ミステリの再読が楽しめる。トリックの説明がややこしいのが多かった。 2018/06/24
かわうそ
27
いささか古典的な謎解きの中にちょいちょい変なのが混じってくるなと思っていたら、シリーズの幕引きとなる「最後の取引」では突然別ジャンルのような結末に。どこまで狙ってやってるのかわからないけどそこはかとなく漂うバカミス感が楽しかった。2018/02/22
みつ
23
8篇からなる表題作の短編集と後に発表された4篇で構成される。短篇集は1935年の刊行であるから、エラリー・クイーンの傑作謎解き短編集『エラリー・クイーンの冒険』とほぼ同時代の作だが、印象は随分異なる。著しい特徴は、短篇のそれぞれに登場人物表が付けられていること。語り手、探偵と各々の関係者を除けばごく限定されるので犯人当ての楽しみはなく、特徴的な怪奇現象も驚くべき扱われ方もされるが真相は肩透かし気味。それでも楽しく読めたのは、語り手や家族、探偵の日本人執事カトーなど登場人物の魅力に多くを負うているゆえか。2025/07/13
タッキー
15
帯の『クイーン絶賛』に惹かれて買った短編集。乗る人を死に追いやるボート、博物館から消えた古写本、屋敷内に現れる幽霊など、どれも謎は魅力的。が。どれも解決の理屈は分からないでもないのですが、イメージしにくい解決が多く、どこかに図とか、絵とかで説明があれば説得力があるのでしょうが。。自分の理解力、創造力のなさか、作品の問題か、ちょっと残念な作品でした。2018/05/06
日曜手品師
10
超自然現象に見える謎をロジックで解き明かす探偵もの、のはずが終盤で変質していくのがなんとも座り心地の悪い感じ。トンデモ真相の「第四の拷問」、幕切れが皮肉な「消えた竪琴」が印象的でした。「最後の取引」はどう評価していいかわからん(^^;)2018/03/02
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