内容説明
改装なったナイトクラブ《カジノ》で、看板スターのこびとが殺された―サイズのばらばらな十一本のストッキングで首を吊られて。店主のジャスタス夫妻と友人マローンは死体をコントラバスのケースにいれて運びだそうともくろむが、目を離した隙にケースは紛失、事件は予想外の方向に転がりだす。マローンたちが獅子奮迅の活躍を見せるシリーズ中期の傑作、待望の新訳決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kyoko
14
うわーっと謎が舞い上がり、いろんな人がそれぞれの思いで勝手に動き回り、収束を図っているはずのジェークとヘレンは案の定かき回す結果になり、マローンは女性とお金という深刻かつ普遍的な課題に陥り、大真面目なフラナガン警部はその喜劇性でより存在意義を大きくし、、、。最後犯人がこの人とは!いやこれはしてやられました、今回も。いったい何冊ミステリーを読んできたんだ、と自分に突っ込みましたけどね。今回もおもしろかったー。満足です。2022/04/01
鐵太郎
8
ジェークはカジノのスターとして、大人気のこびとのエンターテイナー、ジェイ・オットーをショウに呼びます。しかしこの芸人、尊大な嫌われ者。このオットーが種類の違う11本のストッキングで首をつられて殺され、事件の始まり。ジェークは人を殴りまくるは、ヘレンは名探偵になるは、マローンはてんやわんやになるは、さあ大変。グロテスクぎりぎりで収まったこの事件、決着はどうついたのか。2006/11/12
harukawani
5
あぁ……最高…。友情、純情、悲哀、ユーモア。楽しさとほろ苦さのブレンドがこの上なく心地よい。はっきり言って、事件解明を書く手際が良いとは思えないのだけど、そんなことは些細なことに感じる。ドタバタ劇でページをめくる手を止めさせず、最後まで飽きさせないこの面白さは唯一無二。ここまでシリーズを追ってきたけど、好みでは『死体は散歩する』に次ぐ。大好き。マローンの恋情が切ないよ…(涙)2019/05/25
造理
5
★★☆☆☆ ナイトクラブでの殺人事件。死体消失、凶器のストッキングの謎など序盤で謎解き要素が出てきますがあれやこれやのドタバタ劇で真相がややあっけなく感じてしまったのが残念。基本的にユーモアたっぷりに進んでいきますが、ほろ苦い結末が印象に残りました。2017/10/15
かりさ
5
今回もマローン、ジェイク、ヘレンの3人がドタバタ事件に巻き込まれています。こびとの死体をコントラバスのケースに隠しちゃうとか、隠滅しようとしちゃうとか、やることみんなメチャクチャでハラハラしてしまう。色んなことがたたみかけるように次々と起こって目まぐるしい。けれどのその目まぐるしさが快感だったりするのです。次はこうくるだろう、この次はきっとこうだろう、と思うことが気持ち良いくらいその通りに発生していくから。けれどもライスは読者をそうやって魔法にかけて、後に仕掛けを用意してるのです。天晴れ!2002/4/8