出版社内容情報
親友の夫だった医師アンドルー・モローと再婚したルシール。血の繋がらない二人の子供と義妹との同居は、傍目には平穏に見えるものの、16年前に変死を遂げた親友ミルドレットの面影と、彼女に未練を残すアンドルーの態度が、絶えずルシールの心を苦しめていた。そしてある冬の朝、謎めいた男がルシールに小箱を渡して立ち去った。その後彼女は何も言い残さず、姿を消してしまう。心理ミステリの巧手ミラーの初期を代表する傑作、待望の新訳。
内容説明
十六年前に死亡した親友ミルドレッドの夫である医師アンドルー・モローと再婚したルシールは、一見平穏なその生活の裏側で継子や義妹との関係に悩み続けていた。ある冬の日、謎の小箱を受け取ったルシールは何も言い残さず姿を消した。日常の微かなひびの向こうに広がる荒涼とした心理の内奥を描いて、ミステリに新風を吹き込んだ巧手ミラーの初期を代表する傑作、新訳で復活。
著者等紹介
ミラー,マーガレット[ミラー,マーガレット] [Millar,Margaret]
1915年、カナダのオンタリオ州生まれ。38年、高校の同級生であったケネス・ミラー(ロス・マクドナルド)と結婚。41年The Invisible Wormで作家デビュー。緊張感に満ちた心理描写と詩的な文体、最後の一行がもたらす戦慄など、他に類のないサスペンスを多く発表。『狙った獣』で56年にMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀長編賞を受賞し、83年にはMWA賞グランドマスター賞を受賞する。94年没
宮脇裕子[ミヤワキユウコ]
東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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