内容説明
秋風だつバラクラヴァ。早朝から床みがきをしていたローマックス夫人は、猫のエドモンドがくわえてきたものを見て仰天した。アングレー教授―のかつら!こんなこと教授に知れたら大変だわ。けれどもその心配は無用のものだった。すでにこの時、当人は博物館の裏で冷たくなっていたのだから…。シャンディ教授の名推理が光るシリーズ第四弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
シャンディ教授シリーズ第4弾。ローマックス夫人は、飼い猫エドモンドが咥えて来た物を見て驚いた。それは下宿人のアングレー元教授が、秘密に使っているかつらであった。かつらを戻しに行った夫人は、裏庭の雑草の中にアングレーの遺体を発見する。シリーズ開始から1年位経った頃か、登場人物が少しずつ増えてくる。警察署長オッターモールと主人公も打ち解けて、今回は堂々と署長補佐として捜査する。私は本シリーズを、ムーミン作品の様な楽しみを持って読んでいる。ミステリだが心暖まるし今回は特にスカッとして、キャラの魅力でも読ませる。2019/05/13
むらさきめがね
13
冒頭のローマックス夫人とエドモンドのやり取りは傑作すぎて電車内読書厳禁。こういう秘密結社的陰謀殺人を書けるコージー作家、最近ではあんまりいないなー。このシリーズの舞台バラクラヴァでは大学の自治力が印象的で、もしセーラシリーズを書いていなかったら左向きを疑われかねない。この辺のバランスのとり方も非常にクレバーな作家だったんだと再確認。2015/10/11
AMBER
7
猫が死体を連れてきた→猫がかつらをくわえてきた(笑)てなタイトルでもいけるんじゃ?とひそかに提案したくなる本書。今回はローマックス大家の飼い猫エドモンドがとんでもないものをくわえてきた所からはじまるが、シャンディ教授はもちろん、学長、署長、なんと前作で災難な目に遭った半人前記者まで登場しまたまたいい味を出していました。犯人逮捕するときの学長vs犯人のたたかいっプリをみた署長の「うちの子供はモンスター映画が大好きなんだ」→安全な所に隠れて→「ポップコーンがないのが残念だな」場違いすぎて笑える。2015/03/12
Radwynn
6
今回の騒動の発端は、下宿の女将ローマックス夫人の愛猫の咥えてきた鬘!w持ち主は閉鎖的なおセレブ月例会の会館裏で冷たくなっていた…同時に大学では「政治とカネ」の厄介ごとが降って湧いて、知恵袋シャンディ教授、大忙しw まあ、いつのもことですけどw 猫、可愛いな〜v警察署長と仲良しv 今回は、なんだか推理小説っぽかった、って、推理小説なんですけどw どんでん返しってわけでもないけど、フラグとその回収に納得できた、っていうか。日常のドタバタよりも推理ドラマ、だったかな。学長の怪獣度は益々UPしてますけどw 2016/12/18
efu
3
なんで猫がドーナツ銜えてるの?表紙のわけが分かると思わずニヤリとしてしまいます。それにしてもバラクラヴァの人間関係ってほとんど親戚つながり?中でもローマックス夫人はほとんどすべてを掌握している様子。その彼女を味方につけているシャンディ教授は最強ですね。2016/02/19