出版社内容情報
アン・クリーヴス[アンクリーヴス]
著・文・その他
玉木亨[タマキトオル]
翻訳
内容説明
シェトランド諸島の地方検察官ローナは、小船にのせられ外海へ出ようとしていた死体の発見者となる。被害者は地元出身の若い新聞記者だった。本土から派遣された女性警部がサンディ刑事たちと進める捜査に、病気休暇中のペレス警部も参加し、島特有の人間関係とエネルギー産業問題が絡む難事件に挑む。“シェトランド四重奏”を経て著者が到達した、現代英国ミステリの新たな高み。
著者等紹介
クリーヴス,アン[クリーヴス,アン] [Cleeves,Ann]
1954年、イングランド西部ヘレフォードシャー州に生まれる。86年に長編A Bird in the Handで作家デビュー。99年に開始した女性刑事ヴェラ・スタンホープのシリーズで注目を集める。2006年、『大鴉の啼く冬』で英国推理作家協会(CWA)最優秀長編賞を受賞
玉木亨[タマキトオル]
1962年東京都生まれ。慶應大学経済学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
306
ペレス警部シリーズのセカンドシーズンに突入。妙に文章が読みやすくなった気がしたけれども、翻訳者は前作と同じ。理由は新登場のメインキャラ、ウィロー警部に負うところが大きい。彼女と相対する他視点人物の表現や、気が短いウィロー警部自身の内面描写などで、自然にユーモアが生まれている。ペレスとの関係が今後どう変化していくのか楽しみ。事件の方は、ローナの関わりで興味を引っ張る。最後に明かされる犯人に、意外性はあるが衝撃は少なく、作を重ねるごとに、その傾向が強くなってきているので、次あたりで起死回生をして欲しい。2023/01/11
ケイ
129
シェトランド諸島シリーズカルテットでの最後の展開に納得出来ず、シリーズに対する評価が下がってしまったのだが、新シリーズのこの作品は良かった。すみずみまでキレイに絡み合っていた。最後の検事の言葉が示唆するところからすると、次も期待できそうだ。前シリーズでは、女性を起因としながらもお金絡みの話が多かった。今シリーズは、女性を中心にして絡まったものを、ペレスとサンディプラスアルファで解きほぐしていくのかしら2023/04/08
ふう
88
シェトランドシリーズが、これでいいの?という終わり方だったので、フィクションなのに納得できずにいました。べレス警部にももう会えないのかと寂しかったのですが、また会えました。ぐだぐだでもボサボサでも、べレスに会えただけでもうれしいのに、以前のように仕事に向かっていけるようになって一安心。「(仕事に)行かなきゃだめよ。お金が必要だもの。遠足に150ポンドかかるのよ。」というキャッシーの言葉にべレスも救われたけど、わたしも救われました。おもしろく読み進めていたのですが、終わるのがもったいなくて最後はゆっくり。2016/10/21
ナミのママ
72
〈シェトランド四重奏〉に続くジミー・ペレス警部シリーズ5作目。前作から半年後、まだ心の傷が癒えず病気療養中のペレスは、島内の事件を手伝う形から参加する。陰鬱な風景描写は減ったがペレスの鬱々とした様子がずっしりと重い。水がテーマのためか島内の自然描写よりエネルギー問題など現実的な視点。育児優先、趣味を楽しむ、暮らしに密着した手工芸など生活様式が日本との違いを感じてミステリとは別に興味深い。殺人事件解明の派手さはなく、閉じられた島での人間関係に少しウンザリしつつ、真相とそこに至る心情は意外だった。2023/04/06
mii22.
64
ペレス警部新シリーズ1作目。シェトランド四重奏衝撃のラストから半年後。まだ立ち直れないペレス警部は影が薄く、はじまりは殺人事件の捜査責任者としてやって来たウィロー警部と、死体発見者となった検察官ローナとの女性対決の様相。が、やはりシリーズの特徴である誰もが顔見知りであり秘密を抱えているという人間関係の複雑な事件へと発展していく。今の生活を守るため誰もが忘れてしまいたい過去からは逃れようと嘘をつく。人の弱さ脆さが罪をつくり、人の強さ優しさが心を救済する。今後もペレス警部を(いやジミーと呼ぼう)見守りたい。2018/08/01
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