出版社内容情報
スター暗殺の意外な顛末を描いたCWA賞受賞作、刑事の相棒に赤ん坊が採用され捜査を行う一篇、買いものリストだけで成り立つ異色作など全12篇。奇抜で愉快な傑作短篇集!
内容説明
フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され…。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集。
著者等紹介
マン,アントニー[マン,アントニー][Mann,Antony]
ミステリ作家。『フランクを始末するには』で、英国推理作家協会短篇賞受賞
玉木亨[タマキトオル]
1962年東京都生まれ。慶應大学経済学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ピップ
41
「フツーの話にも、ヘンな話にも、飽きてきたあなたへ」という帯の短編集。たしかに変だった。特によかったのは二つ。『マイロとおれ』純粋な目で事件を見るために、赤ちゃんとコンビを組んで捜査を行う刑事の話。殺人事件捜査の中、何の役にもたたずバブバブとハイハイする赤ちゃんがとてもシュール。『買いもの』その日に買ったものが羅列されているだけ。買い物の内容だけで何が起こっているのかを想像するのみ。これは小説か?でもすごく良かった!2024/05/15
したっぱ店員
35
表紙とタイトル、あと「買い物リストだけで描く短編」というのに惹かれ衝動買い。かなり久々の翻訳ものだったこともあり、独特の皮肉っぽい文章になかなか脳がついていかず苦労した。今一つ入り込めなかったが、買い物リストの話は良かった!これ考え付くのってすごい!!2014/03/31
藤月はな(灯れ松明の火)
35
「買い物」は柄刀氏の短編と似ていたので驚きは少なかったのですが原文表題作の「マイロと俺」は赤ちゃんが探偵役で父親が刑事という微笑ましいんだかシュール何だか奇妙な味わいに和みます。「エディプス・コンプレックスの変種」は怒りながらも心配していただけにラストにまさに「ざまあみろ」と胸がすきます^^「万事順調(いまのところは)」や日本語訳での表題作、「ビリーとカッターとキャデラック」も個人的に好きです。2012/09/08
miroku
32
奇想、意表を突く展開、そして表現力。全てに卓越。ご満悦の逸品。2018/03/24
空猫
30
予備知識なしで読んだ。一見柔和だがどこか歪んでいる人達が織り成す、ひどく奇妙でブラックな世界…平和な町で起こる異常な出来事、の短編ドラマ。「あたしたち、吐き気をもよおすくらいの大金持ちなの」だから偉いと言うのか『豚』。事実なぞ簡単に作り出せるマスコミの威力『フランクを始末するには』。「あの車はオートマだろ?」逆転勝利は身を削って『ビリーとカッターとキャデラック』などが特にお気に入り。`00前後の作品の復刊らしいがマンの邦訳はこれ一冊。他も是非読みたい。こういう悪趣味なの大好物じゃあ|*´∀`)ノシ) 2021/11/03
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