創元推理文庫
論理は右手に

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488236045
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

パリの街路樹の根もとに落ちていた犬の糞から出た人骨。元内務省調査員の変わり者・ケルヴェレールは、独自の調査を開始する。若い歴史学者マルク=通称聖マルコを助手に、彼はブルターニュの村の犬を探り当てる。そこでは最近老女が海辺で事故死していた。骨は彼女のものなのか?ケルヴェレールが、聖マルコ、聖マタイとともに老女の死の真相に迫る。“三聖人シリーズ”第二弾。

著者等紹介

藤田真利子[フジタマリコ]
英仏翻訳家。東北大学文学部仏文卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

35
三聖人シリーズの第二弾だが、本作の主役はルイ。三聖人のうちマルクとマティアスがルイの助手を務める。ヴァルガスは魅力的なキャラを作るのが上手。ルイは父親がドイツ人ということが、その性格に陰翳をもたらしている。彼が内務省を辞めた後も、何故情報収集を続けたのか、ラストで明らかにされるが、そこまでの伏線に納得。フランスの哲学と心理小説に、ミステリの論理性が絡む。2010/02/16

藤月はな(灯れ松明の火)

31
この作家のユーモアとペーソスが絶妙に混じった会話や変てこで魅力的な導入は素敵です。犬の糞から出てきたのは女性の足の小指の骨。誰も気に留めなかったことを根掘り葉掘り聞いて辿り着いた真実。これは・・・怖い事件です。蝦蟇を話し相手する元内務省のケルヴェレールの無茶な要求にぼやきながらも行動するマルクに好感がUP。個人的にはアダムスベルクの登場(名前だけだけど)にニヤニヤしちゃいました。2012/11/22

星落秋風五丈原

30
“三聖人シリーズ”第二弾と銘打っているが、主役はルイ(マルトに言わせるとリュドヴィグ、マルトって誰って?いやぁ…)だ。大変粘着質な性格をアピールポイントとして内務調査員として働いてきた。かなりキツい仕事だったのだから、リタイアメントしてやれやれ、と落ち着けばいいのに性格上人間観察がやめられない。他人にとってはどうでもいい事が気にかかり、遂に隠されていた殺人事件を探し当ててしまう!2021/01/20

ぱせり

20
うまいこと立ち回ることのできない、生き方のへたな人ばかりだねえ。頑固で偏屈。心優しい人たち。類は友を呼ぶのか、似たもの同士は匂いでわかるのだろうか。前面に出てきても出てこなくても、チームとしてとっても素敵だ。彼らの会話をずっと聞いていたくなる。ミステリも物語の筋もどうでもよくなる。犬の落とし物もどうでもよくなる。 2014/04/21

はんみみ

16
三聖人かと思いきや、ゲスト回?マルク回?マタイは聖人というより天使のような役回り。 *元カレと現旦那の会話は流石にフランス!「話を分けましょう」 *ラインの息子の過去話はちょっとご都合主義だけど、それが人生の目的か?彼の(ハードボイルドな)物語も読んでみたい。 *三聖人といい、アダムスベルクといい実生活では役益もない人が現実の前で右往左往したり、目先に誤魔化されずほんものを見抜いたり、そんな姿を書くのが上手いなぁ。若い女性キャラは弱いけど。2013/07/18

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