内容説明
若く美しい依頼人が、元作家の潜水夫ウィリアム・マニングのもとに現われたのが始まりだった。海に沈んだ夫の自家用機からある物を引き揚げてほしい―と、その女は頼んできたのだが、その背後には暴力組織の影が見え隠れしていた…。メキシコ湾を漂流していた無人のヨットから見つかった航海日誌に綴られた事件の全容。傑作海洋冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koo
6
ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーションで発見したチャールズウィリアムズの作品。プロローグがマリーセレスト号の様にまだ温もりの残るコーヒーを残して乗員の消えたヨットという魅力的なつかみ、そして残された航海日誌から語られるメインストーリーがとにかく面白いです。「美女」「殺し屋」「財宝」とお約束てんこ盛りの巻き込まれ型スリラーですが「土曜に逃げろ」同様アンドリュウガーヴによく似た展開の早い作品でプロローグに繋がる余韻の残るラストがいいですね。3作しか邦訳がなくて本当に勿体ないです。2024/06/07
kanamori
1
☆☆☆2024/04/29
一式隼
0
もう、初めて読んだのは20年くらい前になる。J・D・マクドナルドとC・ウィリアムスは大好き。C・ウィリアムスは私の知る限り、これと「絶海の挑戦者」「土曜を逃げろ」しか翻訳長編はない。個人的好みでは、1「スコーピオン」、2「絶海」、3「土曜」になるが、いずれも粋で面白いサスペンスに仕上がっている。 「スコーピオン暗礁」は冒険サスペンスでありロマンスである。主役の男女が愛のためにある計画の遂行に命運を賭ける。本当に良く書けた大人の娯楽であり、土曜夜の読書冥利につきる一冊。 ★★★★☆2020/05/12