内容説明
八月の月曜の晩、わが家でひとり過ごしていたところ、出張中のはずの夫スティーヴンが突然帰宅してきた。仕事が早く終わったので、という弁解に釈然としないものを感じるアリソンだったが、真夜中を過ぎるころ、今度は二人の刑事の訪問を受ける。彼らは、今夜一件の殺人が発生したこと、その現場で死体のそばにひざまずいているスティーヴンの姿が目撃されたことを告げた。打ちのめされながらも、夫の潔白を証明するため、アリソンは奔走を開始したが…。多彩な作風を誇る技巧派の雄が、二転三転するプロットと意外な真相を仕掛けた会心作。
著者等紹介
藤村裕美[フジムラヒロミ]
国学院大学文学部卒業。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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本木英朗
24
英国の現代本格ミステリ作家のひとりである、ジェームズ・アンダースンの長編のひとつである。俺は1998年・2007年の2回読んでいて、今回で3回目であるが、まったく覚えていない。しかし本当に凄かったねえ。「多彩な作風を誇る技巧派の雄が、二転三転するプロットと意外な真相を仕掛けた」という言葉そのものだっだよ! さすがは作者である。『血のついたエッグ・コージイ』『殺意の団欒』『刻まれたミンクコート』もまたいつか2回目・3回目に挑戦かな。大満足でした。2022/06/02
Hika
15
読み終わったよー!! いやあすごかった。途中まで、二人で捜査するだけやーんって思ってたの。でもね、・・・すごかった!! ほんと伏線もすごい。読み返したら普通に!すごい。 またも読みたい本が増えた・・・ ていうか表紙で夫が読んでるのってもしかしてアドr…(3/16読了)2016/03/16
イエローバード
11
殺人容疑で夫が逮捕されたアリソン。彼の無実を証明しようと、被害者の兄と一緒に証拠探しに奔走するのだが……。ほとんどが会話という構成で、クラシックな表紙のせいもあって、往年の映画を見ているような楽しさ。伏線もあちこちに散りばめられ、謎解きも大満足。本格なんだけど、なんか笑っちゃう感じで、このセンスがとっても好みでした。他の作品も急いで探そうっと。2022/05/04
けいちゃっぷ
8
前半は既読感ありありみたいな感じでしたが、後半は状況が二転三転して楽しめました。398ページ2010/10/07
ハレ
7
愛人を殺害したとして逮捕された夫の容疑を晴らすため奔走する妻。捜査が進むにつれ容疑者と思われる人物が次々入れ代わる。夫は釈放されたが証拠が確認できず容疑者は未だに告発されない。最後まで犯人は明かされないのだが2/3位読んだところで私は犯人が分かってしまった。 甘いなこのミステリと思って読み進めた。が、とんでもなく予想もつかない結末が待っていた。やられた。甘かったのは私だった。ただ、ラストにもう一捻りあるのではと期待したが美しく終わらせただけなのでがっかりした。外した負け惜しみを言ってる訳ではないのよ。 2024/03/26