出版社内容情報
ピーター・トレメイン[ピータートレメイン]
著・文・その他
甲斐萬里江[カイマリエ]
翻訳
内容説明
イムラックの大修道院から聖遺物が消失。管理担当の修道士も失踪した。そんなとき、国王と大族長暗殺未遂事件の調査にフィデルマが修道院にやって来た。救いの神とばかり院長は調査を依頼する。襲撃者の一人が元修道士であったため、二つの事件の結びつきを感じたフィデルマは院長の依頼を引き受ける。モアン王国の平和と威信がかかる難事件を、見事解決することはできるのか?
著者等紹介
トレメイン,ピーター[トレメイン,ピーター] [Tremayne,Peter]
1943年英国生まれ。本名はピーター・ベレスフォード・エリス。ケルト関係の学術書を数多く著し、学会の会長や理事もつとめる著名なケルト学者でもある。また小説家としても精力的に活動しており、ホラーやファンタジー、ピーター・マッカラン名義のスリラーなどを刊行している
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
39
何かあった際には上位弁護士・裁判官のドーリィーという身分と王の妹という立場が水戸老侯の印籠代わりとなるので、聞き込みはそれほど難しくない。但し今回フィデルマはそれに飽き足らず、宿屋でこっそり商人の荷車を覗きに行くなど、現在ならば令状が必要な捜査にも手を出している。好奇心旺盛で動いてくれる、作者にとっては実に頼もしいヒロイン。あれほど他人の心理を読むことに長けているにも関わらず、肝心な人エイダルフと、彼に対する自分の気持ちはさっぱり。フィデルマが望む大胆な事をやる引き出しはエイダルフのキャラにはない。2016/01/17
鷺@みんさー
34
あまりに強引な(なかなかアンフェアな)ミスリードとか、まあ気になるところはあったけど、このシリーズはあくまで「フィデルマ無双」を楽しむための、古代ケルト版水戸黄門だから。そういう意味でなかなか楽しめた。今回は人間の愛憎や金がらみの短絡的な殺人など、生々しい動機ではなかったけど、色々と政治や宗教の複雑な様相の中で、一国の姫でもある彼女の立場の危うさが理解できた。エイダルフは全体的にいい活躍っぷりだったが、はてさてこのすれ違いカップル、今後はどうなりますことやら。2023/03/06
Nat
32
前に間違えて読了としてしまったが、ここで正しく読了。これまでのフィデルマシリーズの中で1番の手に汗握る展開。面白かった。真犯人は初めの方で怪しいなと思ったが、途中で違う人物にミスリードされた。時間は二転三転して結局最後の最後にならないと真犯人が分からなかった。フィデルマの謎解きはブレホンのラモンもイライラしてしまうが、私もついついもっとストレートに言ってほしいと思ってしまうことが度々。しかし、フィデルマの兄のコルグーは良い人すぎて今後のモアン王国が少し心配。まだまだモアンは狙われそう。2022/03/04
ぽんすけ
27
「お前が黒幕か!」今回本っ当に黒幕が最後までわからなかった。作者のミスリードにまんまと乗せられて裏切者はあの人だと信じ込んでました。お見事。この感覚が好きだからフィデルマシリーズ読んじゃうんだよなぁ。でも今回の話はいつもと違って性格が腐りきってる人ってのは私的にはいなかったので登場人物とのやりとりで腹が立つことはなかった。反対にそこら辺が平穏だったからかエイダルフの鈍さがかなりう~んって感じに。フィデルマでさえエイダルフのこと鈍いってはっきり思ってるし。そして恋愛面でもエイダルフはダメだった。がっくし。2023/02/09
Nat
23
上巻と間違えて下巻を読了にしてしまいました。下巻はこれから。失礼しました。2022/03/02