出版社内容情報
老婦人宅に見知らぬ男の死体。何故見知らぬ人間の家で殺されていたのか? 警察の調べはいっこうに進まず、そのあいだにも次の被害者が……。ショーベリ警視シリーズ第一弾。
内容説明
数週間の入院生活を終えた老婦人が自宅で見つけたのは、見知らぬ男の死体だった。その頃殺人者は、高揚した気分で自らの行為を思い返していた。悔やんではいない。ただ、もっと苦しめてやらなかったのは残念だった。ショーベリ警視率いる警察の調べはいっこうに進まず、そのあいだにも次の被害者が。スウェーデン・ミステリ界に開花した新たな才能。ショーベリ警視シリーズ第一弾。
著者等紹介
木村由利子[キムラユリコ]
大阪府出身。大阪外国語大学デンマーク語科卒業。北欧三国及び英米の児童書、小説の翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
70
人は常にその過去を背負って生きていかねばならない。スウェーデン発の警察小説。北欧のミステリはその冬空みたいに陰鬱な作品が多いように思えるけど、本書もその例に漏れず憂鬱。愛らしい題名やほっとする表紙絵とは裏腹に、人がバスバス殺されます。ただ最後まで犯人を当てるのは不可能に近く、ある人物を犯人に思わせようとするような記述はあるもののミステリを読み慣れてしまうと冒頭も含めてその誘導にあっさり気が付いてしまう。とはいえこういう動機の作品は大好きだし、警察の面々は魅力的なのでこのシリーズ追いかけてみようと思う。2019/01/26
ふう
63
スェーデン警察小説。単純なわたしは、犯人もわかっている、動機もわかっている、どうやって結末を迎えるのだろうと考えながら読んでいたのですが…。警察官たちは、この結末にきっとわたし以上に驚いたことと思います。40年前の幼稚園でのいじめを、すっかり忘れて生きてきた人々と、そのことによって人生が左右され、片時も頭から離れなかった人。無関心で手を差し伸べることのなかった大人。提起される問題は今の日本にも通じるものがあるようです。なぜこのタイトルなのか、解説を読んでもまだよくわからずにいますが、→2016/05/30
みっぴー
42
スウェーデンの警察ものに、ハズレなし。またお気に入りのシリーズが増えました。ショーベリ警視シリーズ第一弾。凄く楽しみました。スタンダードな警察小説と思って素直に読むと、やられます。始めに戻って読み返すパターン。さわりだけ説明すると、入院生活を終えて帰ってきたおばあさん。我が家になぜか見知らぬ男の死体があって、警察に連絡。おばあさんと死体の関係が見当たらず、しかも連続殺人に発展、という内容。幼年時のトラウマや、教育者のモラルなど、メッセージ性の濃さも魅力的だった。子供って怖い。2018/07/16
星落秋風五丈原
29
ショーベリ警視シリーズ第一弾。クリスマス時期に作られるお菓子がタイトル。甘い子供時代を一つ一つはがしていったらそこには…という意味なのか、一人一人殺されていく様子を捉えたのか不明。捜査チームの面々もそれぞれ問題を抱えているのが英国刑事ドラマみたい。いじめた側はあっさり忘れるがいじめられた側はいつまでも覚えている。それは日本でも変わらない。傍観者の先生もずるいけどあり得る。子供は自分達の社会でヒエラルキーを作っているし、そこには大人は介入できない。2014/01/04
GaGa
29
スウェーデンの警察小説。これがデビュー作ならたいしたものだ。今後の作品に大いに期待が持てる。ただ、訳者あとがきでもあったが、書名がどうも作品と一致しない。何か原語でスラングのような別の意味があるのではないだろうか。これから、もっと刑事たちの個性がでてくると面白い。2013/12/27