内容説明
シャーロック・ホームズを読みながら三つ星ホテル・レストランで休暇を過ごす元刑事でグルメ・ガイド覆面調査員のパンプルムース氏と、「犬立入禁止」の規定で不機嫌の極にある元警察犬ポムフリットが国家規模の一大事に巻き込まれた。有名なデザート・シェフが失踪し、彼を目当てに訪れるアラブ石油王の機嫌を損ねることは、フランスへの石油供給の道が断たれることを意味するというのだ。休暇は緊急任務へと変じ、パンプル・ホームズとポムフリ・ワトスンが行動を開始した。国家の危機を救え!パンプルムース家の犬が低く長く遠吠えをする。
著者等紹介
木村博江[キムラヒロエ]
1941年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鏡也
20
パンプルムース氏3冊目。前回よりもミステリー要素が濃くなったように思う。その分、面白さも濃くry。ホームズ読んだことがある人なら知っている、バスカヴィル家の犬。パンプルムース家のポムフリットは、ワトスンになれるでしょうか?2017/05/01
えめらるど
14
パ氏とポムくんが今回訪れたところは犬は「ホテル内立ち入り禁止」。(到着してから知る事実) とはいえちゃんとしたワンちゃん用ホテルは完備されているよう、けれどもポムくんは誇りを傷つけられる。 散歩の途中で予期せずそのホテルのフルコースを食すことになる🐾 p62〜63にかけてのポムくんが食べたフルコースメニューがすごい。 ミステリーの進行よりも、パ氏andポムくんの描写が好きなシリーズである🍽2021/08/09
Brooklyn0320
8
タイトルは「バスカヴィル家の犬」から拝借しつつも、内容には全くの類似点がないというユーモアミステリ。元パリ警察刑事でグルメガイド覆面調査員・パンプルムース氏と元警察犬ポムフリットのコンビが実に微笑ましいです。ミステリといいつつも、基本的に展開が大味で、捜査はヤマ勘で行き当たりばったり、事件がなぜ解決したかもどこかピンボケ。ユーモアと食に対するこだわりを楽しむ作品と割り切って読めばそれまでですが、謎解きの骨格がしっかりしてナンボという気がします。その方がギャップが活きてユーモアも一層引き立つのでは?2015/04/04
ぽま
7
ホームズパロディのように見えるが、主人公は元刑事のグルメ誌覆面調査員。『バスカヴィル家』を読み進める主人公・パンプルムース氏が、「こんなときにホームズだったらどうするか」を想像しながら事件に当たっていく姿が面白い。ちなみに彼のワトスン役は、犬のポムフリット。たまにこの助手の方が冴えた働きを見せるのがご愛敬。/解説によると主人公がホームズを気取るパロディを「ドン・キホーテ型」と呼ぶんだそう。とは言いつつ、シリーズ内で主人公がホームズに傾倒するのはこの作品だけのようで、どうやら一過性のマイ・ブームだった模様。2012/12/31
AMBER
6
今までよりもちょっと事件が濃い感じになってますが、愛犬と主人のはちゃめちゃ感は変わらないです。最後の方でのワイン事件には驚きと笑ってしまいます。2014/11/03