内容説明
秋にアフリカに渡り、春、欧州に戻るコウノトリがなぜ今年はかなりの数帰らなかったのか?調査に発つ直前、青年ルイは調査依頼主の無惨な死体を発見する。検死の結果、記録のない心臓移植手術の痕があることが判明。東欧、中東、アフリカ、行く先々でルイの遭遇する残虐な殺人。コウノトリの渡りの道に何が隠されているのか?『クリムゾン・リバー』の著者、驚嘆のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
stobe1904
9
【フレンチスリラーの傑作】クリムゾン・リバーのグランジェのデビュー作。ヨーロッパとアフリカを行き来するコウノトリの追跡を依頼されたスイス青年のルイが、そのワタリの経由地でダイヤモンド密輸や猟奇的殺人事件に遭遇する。コウノトリのワタリを題材にしたスケールの大きい謎がきれいに収斂する様は見事な手並みだった。読み応えのあるスリラーとしてもっと評価されてもよい作品だと思う。絶版なのが残念。最近『通過者』が出版されたがグランジェは未訳が多いのでもっと出版してほしい★★★★☆2018/10/08
abk1
6
初読みの作家はなるべく発表順に読もうと思っているので、この作品から手に取った。コウノトリを利用した××が判明してからの展開といい、予想を裏切るラストといい、なるほど「フランスのスティーブン・キング」と言われているだけのことはある。 傑作❗2019/11/10
mordidaman
5
グランジェの驚愕のデビュー作。 ヨーロッパからアフリカへと、最後はインドまで足を延ばすスケールの大きなとんでもない物語です。毎年渡って来るコウノトリが何故現れないかという何とも不思議な謎から始まります。 そこからの展開は読者の予想を遥かに越えたものでした。かなりグロい描写もありますのでご注意下さい。 大いに楽しませていただきました。 2020/07/03
すー
5
著者の作品で1番好きかもしれない。これだけ登場人物が多いのに其々魅力的で各国の情勢を含む描写も良く一緒に旅してた。ただ、残虐な行為への恐怖と怒りは主人公と同じタイミングで感じとれず、読み終わった後にやって来た。考えれば考える程、混乱と恐怖。それだけ犯人像が歴史的に存在した人たちと較べてもリアル、統一協会という組織もリアル。人間ドラマもあるし、もう一度読んでもきっと面白い作品。2015/05/01
M.I
4
DVDの感想を読むとわかりづらい部分が多そうだったしクリムゾンリバーは観てから読んだので逆にした。映画は未見だが、謎や途中で突込み要素な部分の大半がじょじょに繋がる。(ただ主人公の事件に巻き込まれるまでの生活などからこのハリウッド映画ヒーロー並の怪我やトラウマ的現場の目撃からの精神的肉体的ダメージのなさや銃のテクなどちょっと非現実なのがいまだにすっきりしない) ストーリーより主人公が移動する国々や都市、自然の描写にむしろ魅かれた2015/05/23
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