内容説明
古い大学町周辺で次々に発見される惨殺死体。両眼をえぐられ、両腕を切断され…。同じ頃別の町で起きた謎の墓荒らし。二つの事件の接点は何か?フランス司法警察の花形警視と、いなか町の若き警部がたどり着く驚愕の真相。殺人者の正体は?死んだ少年の墓はなぜ暴かれたのか?「我等は緋色の川を制す…」という言葉の意味するものは?仏ミステリ界期待の大型新人登場。RTL‐Lire文学賞受賞。
著者等紹介
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業。中央大学大学院修了。現在中央大学講師。主な著書に、カダレ『誰がドルンチナを連れ戻したか』、ぺナック『カービン銃の妖精』、『子ども諸君』、カサック『殺人交叉点』他多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
54
おもしろかった。まったく別の事件をおう二人の刑事がやがてひとつの事件を追いかけていることに気づく。謎、手がかり、しっぱい、一つの光明という単純な流れがチュウバンまでそれぞれの刑事サイドでつづく。これがやたら地味でだけど、丁寧でしっかり描いているとも言える。事件の解明は、というか謎はわりと読めてしまうくらい今となっては単純だけれど、ラブロマンスもあり、バランスもよかった。だから、ラストはねちこくラブラブしてほしかった(笑)2015/05/27
カザリ
31
レビューは下記 ④クリムゾン・リバー レビュー(小説)3月6日(日) - 地下階層言語化プロジェクト http://hagananae.hatenablog.com/entry/2016/03/06/115725 …2016/03/06
神太郎
30
映画がうろ覚えながら、こんな感じだったかなぁと読み進めた。映画の印象は宗教っぽい感じだったが、原作の方は映画ではおそらくはしょった部分もそれなりにきちんとかかれており、優性学のような形でより優秀な遺伝子を残そうというものが今回の悲劇を産んだというのがしっかりと見えている。張り巡らされた伏線から真相がそれだということが分かり、盛り上がりは最高潮。しかし、ラストが多くの方が指摘するように尻すぼみ。うーん、もう少し、あともう少しドラマを見せてもらいたかったなぁというのが本音。展開が悪くなかっただけに残念!2019/10/09
Yoko
17
すごかった、これ。映画化されていて主人公の1人をジャン=レノが演じていると知っているからどうしてもそれを投影してしまうんだが、逆にそれ以外あるのか⁉︎と言いたい。よっく練られた(練られ過ぎて荒唐無稽?)プロットに唸り、線と線が交わった時の快感を味わい、そしてゴシックホラーばりの真相のおぞましさに息を詰め、最後の一行まで気の抜けない、こんなに擦り減った気持ちになった読書は久しぶりでした。ルメートル以前のフランスも凄かったのだと堂々と主張されたようです。2017/04/20
fseigojp
15
優生思想というのが、欧米には根強く残っているのはないかと思いました2015/08/01