出版社内容情報
この真相を誰が予測できただろうか!
読み進めるあなたは
幾度驚きの声をあげるだろう?
驚くべき急展開とどんでん返し――チューリンゲン・アルゲマイネ紙
ケイトが泊まった宿の娘は不可解な生還を遂げる。しかし彼女は頑なに口を閉ざし何も語らない。謎に満ちたこの事件と、遺体で発見された少女の事件に関連はあるのか?
少女の失踪はほかにもあった。親に虐待され、火傷を負った少女の行方不明事件、父親にがんじがらめに束縛されていた少女の失踪……。管轄外の刑事ケイトは、密かに調査を始めた。これほど読者の予想を裏切り続ける展開がかつてあっただろうか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
94
今回も文句なしの面白さ。謎が謎をよぶ展開と巧妙な語り口が素晴らしい極上のミステリ。シャルロッテ・リンクの物語はとにかく冒頭が上手い。父と喧嘩をして途方にくれる少女、近づいてくる一台の車、そのサイドウィンドウが降りた時・・。冒頭から引き込まれる展開には一気読み必至。少女誘拐監禁事件とその家族模様。1年前に失踪した少女が死体で見つかり、また新たに別の少女が行方不明となる。マスコミは犯人を〈ムーアの殺人鬼〉と名付けるが二つの事件に関連はあるのか?疑わしい人々と二転三転するまさかの真相、とてもスリリングな1冊。2023/11/19
ナミのママ
81
上巻では色々と広がった事件。そのうちの一件が解決した。真相は思いがけずなんとも胸くそが悪い。それより気になるのはケイトの私生活だ。捜査の推理は優秀なのに、なぜ自分のことが見えないの?下巻は事件よりこちらの方がハラハラした。もう一つ、ハラハラさせられながら事件の全容が明らかになった。この作品、登場人物の個性が実に素晴らしい。弱さ、病、気質が丁寧に描かれていて、人は多面体だと改めて気づかされる。12月発売の続編が楽しみ。2024/10/25
タツ フカガワ
80
少女ばかりを狙った誘拐犯を追う捜査は、物語が進むほどに思いがけない展開となっていく。当初の見立てとは違った結果に落ち込むスカボロー署のケイレブ警部、そのころケイトは42歳にして生まれて初めての恋の相手を見つけるが……。なにもかも急展開の下巻です。しかも終盤には叙述トリックも待ち構えていて、いやあ面白かった。それにしても登場人物の多くにケイトの精神的負の傾向が共通するのは、作者の意図的演出なのだろうか、というのが個人的にシリーズ通しての謎になりつつあります。2025/09/10
おぬち
46
いやあ一気読みでした。やっぱね、主人公が素敵だよね。とりあえず、早々に一作目購入しました。続きも楽しみ。このうような追いたいシリーズが増えると人生楽しくなるよなとしみじみ2024/01/25
路地
41
上巻で張り巡らされた伏線が劇的に回収されていく。挿入される犯人の手記から犯人は男性というのはミスリードで、女性かもと思っていたのだけど、まさか隠れた被害者かと思われたハナの母親が犯人だったとは。激しやすいマンディを含め、罪のないこどもたちが犠牲になるのは読んでいて辛かったのだけど、謎が解けていく展開は爽快。利用されて失恋してしまうケイトに同情しつつ、今後の活躍が楽しみ2024/09/21
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- 和書
- エビータ 新潮文庫