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創元推理文庫
タンゴステップ〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488209094
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0197

内容説明

殺された元警察官、モリーンの住んでいた土地を訪ねたステファンは、独自に捜査を開始する。だが、調べを進める彼の前に、新たな死体が…。次々と明らかになる、先輩警察官の知られざる顔、意外な過去。病に苦しみ、迫りくる死の恐怖と闘いながら、ステファンは真実を追い求める。スウェーデン社会の闇と、一人の人間としての警察官ステファンの苦悩を、鮮やかに描き出した傑作。

著者等紹介

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

77
『霜の降りる前に』の前日譚の位置づけであり、いろいろ安心もありながら読んだんだ。この決着の付け方は嫌いじゃない。グーグルアースを見ながら読むのも楽しいですね。2019/04/05

紅はこべ

69
ラストでステファンが会いに行った人物が語ったヨーロッパの現況がマンケルがこの小説で訴えたかったことのような気がする。スウェーデンでは2000年に出た本だけれど、現在はまさにその状況だ。二件の殺人はそれぞれ復讐だったが、二件目の犯人の方が恐ろしい。2015/10/30

キムチ

65
真相に辿りつき、改めて世界が抱える闇の深さに嘆息、寒気を覚えた。ステファンが抱える「癌とよそ者」という不安が連動したせいもあるかもしれないけど。マンケルの描こうとした「一見、進歩して行っている」と見える現代の恐怖は鮮やか。そして毎回思う、柳沢さんの素晴らしい翻訳。てらう事一切ない文体、会話がふと、狂気をはらむと熱を帯び、とてつもない雄弁なものに変貌する瞬間。作品の随所に現れるそのパッションであっても、とても一気読みできない・・そして疲れたけれど、素晴らしい作品だった。2018/11/14

オーウェン

59
ヘルベルト以外にも殺人が起こり、事件の様相は複雑化していく。 残されたナチスの軍服だったり、なぜ死体の血痕がタンゴのステップを踏んだかのような跡が残っていたのか。 ヘニング・マンケルの作風が存分に出ており、北欧特有の凍えるような寒さが感じられる文体。 ステファンもそうだが、笑顔がほとんど見られないようなキャラばかり。 ラストの無常感も独特。 真相が分かっても、それで良しとはならないのだと気づかされる。2023/09/24

azukinako

59
ヴァランダーではないが、マンケル節炸裂。今回はぞわっとする怖さの残る話だった。スウェーデンからヒトラーに傾倒してドイツに渡った兵士がいたというのも驚きだったが、今なおスウェーデンに残るネオナチの問題は、常に現代の問題を取り上げるマンケルならでは。数年前に見た映画「手紙は覚えている」を思い出した。日常の中でハーケンクロイツを見たらぞっとする。イギリスから物語が始まり、スウェーデン、アルゼンチン、ラストのイギリスは余韻が残るいいラストだった。ステファンもヴァランダーも病気から逃げ回るところが情けないが、いい。2019/12/27

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