出版社内容情報
老人たちはなぜ蛇の毒で殺されるのか。村人が決して語らない50年前の教会の火事にまつわる「記憶」とは。『三つの秘文字』の著者が放つ謎と言い知れぬ恐怖に彩られた傑作。
内容説明
蛇をめぐる事件が村の静寂を破り、住人を脅かしていく。獣医であるクララは原因を調べはじめるが、たまたま知り合った老女、ヴァイオレット殺害の最有力容疑者として逮捕されてしまう。全財産をクララに譲ると書かれた遺言状が残されていたのだ。釈放された後、自分を窮地に陥れた犯人を懸命に追い続けるクララが辿り着いた驚愕の真相とは。英国ミステリの旗手が贈る新たな傑作。
著者等紹介
法村里絵[ノリムラリエ]
1957年、東京都に生まれる。女子美術短期大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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キムチ
61
上巻とは打って変わり、次々と展開を見せる。一気読み。なんせ、クララの行動力が凄いから、頁の先の展開が怖い。スプラッター場面もあり。時はビクトリア朝だからキリスト教教会の描写がおどろおどろしい~周辺の屋敷と庭、水路やハシバミの木立、司祭は雰囲気十分。犯行に及んだ動機は如何にもな近代的内容で今の時代からすると何かなぁだけど。複数回「ハンサムな背の高い男」が出てくるのはストーリーとして大事なモチーフの様だ(美女もいるし)その美貌に気持ちが揺れて・・となっていくとハーレクインサスペンス的と言えなくもない。2020/12/29
ナミのママ
54
物語の後半。村に残る焼け跡の教会。この村では50年前に何かあったらしい。クララは調べ始める。怪しい人影、侵入者、嫌がらせ、そして殺人容疑で逮捕されてしまう。生き残っているのは誰か?どこにいるのか?主人公クララの行動力が小気味良い。上下巻、面白かった。この作者、もう少し読んでみたい。2021/08/02
goro@the_booby
45
これは拾い物。事件の謎、主人公の過去からの脱却とミステリーに再生ものが絡むと奥行きがでる。生理的にも受け付けられない蛇による事故が殺人事件かもしれないと疑問を抱く野生動物病院の医師クララは人と関わりあうのが嫌で田舎で暮らしてたのに巻き込まれてゆく。事故により顔に傷を負ってしまい人との距離を置くクララに思いを寄せる二人の男性 によって徐々に変わってゆく。それにしてもヤマカガシは危険、あとタイパンね!まぁ蛇より怖いのは人間。作者が女性だったのにも驚いたけど他の作品も読みたい。2025/05/17
藤月はな(灯れ松明の火)
43
蛇の大量発生の真相を突き止めるべく、村の過去を炙り出したクララに待ち受けていたのは悍ましき真相だった。犯人が下衆すぎて吐き気がしそうです。しかし、クララが「過去によって自分は縛られることはない」と徐々に自覚していくことで母を許したことによって前を向けたことは良かったです。そして途中で出てきた、冬眠から覚めた大量の蛇が地上へ這い出ることによって起こる「スネーク・ボール」に似た現象を想像して心が和みました^^2013/09/05
読書家さん#lfJKjP
38
やはり最後は宣教師が多く関わってましたね、、クララとタイパンを袋に入れ沈められるシーンはドキドキしました。タイパンは世界最強の毒蛇という予備知識があっただけに、ブラックマンバやキングコブラも勿論危険ですけど。毒蛇は卵じゃなく胎生だと思ってましたがタイパンの卵の描写があったのですがタイパンって卵なんですね。知らなかったです。爬虫類は好きなので色々と勉強になりつつサスペンス要素も詰め込まれてて良かったです。2024/04/10
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